DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに @国立新美術館

アート
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こんにちは。マンダラデザインアートブログのsachiです。

国立新美術館に、DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうにを観に行きました。

 

DOMANI・明日展とは

「DOMANI・明日展」は、文化庁の支援のもと海外で研修を受けた美術作家たちのショウケース。

毎回楽しみに観に行っているが、今回は新鮮な驚きのある作品はなかったように思う。
全展示を通しての印象は非常にまとまっており、テーマに忠実だと感じた。
撮った画像とともに感想をメモします。

 

 

DOMANI・明日展とは
文化庁は、将来の日本の芸術界を支える人材の育成のため、若手芸術家が海外の関係機関等で行う研修を支援する「新進芸術家海外研修制度(旧・芸術家在外研修)」を1967年度から実施しており、すでに半世紀を経過しました。美術分野では、そうした研修の成果発表の機会として1998年から「DOMANI・明日展」を開始し、今年度で第21回目となります。国立新美術館を会場に、天井高に恵まれた空間での大規模なグループ展で、文化庁による新進作家育成プログラムで海外に送り出した人材を、日本のアートシーンにプレゼンする機会にすることを目指しています。

出典:https://domani-ten.com/

 

今回の展示は、先の戦争や東日本大震災を核として生まれた作品が中心で、静かにこころに響くものが多かった。

フライヤーには以下↓の説明。

 

20世紀以降、日本が、世界が経験したなんらかの被災──地震や風水害といった天災や、戦争や環境問題のような人為的災いにより生じた「傷痕」について、直後のジャーナリスティックな表象でなく、時間を経て生まれた表現が集まります。作家それぞれの「傷ついた風景」をつなぐことを通じて見える、傷ついても生き残り、再生する風景──「明日」を見据える企画です。

 

 

石内 都

 

石内 都「傷跡」シリーズ。傷跡は、当人が生き残った再生と記憶を抱える。

 

 

米田 知子

 

上左から、
《ビーチ〜ノルマンディー上陸作戦の海岸》
《畑〜ソンムの戦いの最前線であった場所》
《道〜サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道》
《桜〜靖国神社、東京》

今はただただ、美しい風景。
つわものどもが夢の跡。

過去を現在に照らしあわせることは、再生と希望への導きとなる、と米田はいう。

 

 

栗林 慧 栗林 隆

 

栗林慧の撮る自然写真を、現代美術家の息子・隆がインスタレーションとして作品にした。
親子でコラボレーション。素晴らしい!

 

 

日高 理恵子

 

日高にとって枝や葉は空間を測量するメルクマール(指標)だという。
どれも大作。その空間を変えてしまうような力を持つ作品。

 

 

宮永 愛子

 

日本中のあちこちから剪定された金木犀の葉を葉脈にし、繋いだ作品。
彼女はこれを地図と呼んでいる。
葉の葉脈を眺めていたとき、それが俯瞰した地図のように見えたことから作品作りが始まったそうだ。

完成したのは震災直後の2011年春。
繊細ですぐに壊れてしまいそうで、だからこそ愛おしい、美しい地図。

 

 

藤岡 亜弥

 

故郷である広島の日常を撮った作品。
全体の写真の印象は極めてポップ。
だが、前述の米田知子の視点とも重なるところがある。

 

 

若林 奮

 

戦後日本を代表する彫刻家。
素材は鉄、銅、鉛。
端正な作品群。

 

 


畠山 直哉

 

311により家族や実家を失った作家の、自身「再生」の作品群だという。

 

 

佐藤 雅晴

 

この《福島尾行》という映像作品は、震災後の福島の風景と、病に侵されていく自分を重ね合わせて制作したもので、未完だそうだ。
作者の佐藤雅晴氏は2019年3月に永眠した。

 

帰還困難区域のゲートの向こうに咲く満開の桜。
そこで毎年花見を楽しんでいたひとは今はいない。
真っ黒なフレコンバッグの山が映し出される。
映像には映らぬがそこには放射線もあるのだろう。
彼自身も見た目には分からぬとも病が身体を蝕んでいる状態だったのかもしれない。
胸を締め付けられるような痛々しい作品だった。

 

 

ところで自分は以前のDOMANI・明日展の以下の記事で↓

 

21st DOMANI・明日展
「DOMANI・明日展」は、文化庁の支援のもと海外で研修を受けたフレッシュな美術作家たちのショウケース。 びっくりさせられるようなものを見せてくれる芸術家はいないかなーと毎回楽しみに見に行っている。

 

下記のようなこと↓を書いたが、今回はそれを特に強く感じたのだった。

この手の作品を見ると、自分はきまって表現することそのものについて考えてしまう。
アートを生業にする資質や才能がある者は、「世の中になにかを伝える」という使命(あるいは宿命?)を背負っているのかもな、と。
それで食っていけるかいけないかは別次元の話で。若い作家さんのものを見るときは特にそうで、彼にその意識はあるだろうか?ということも併せて作品を観ているのだ、とふと自分で気づくことがある。

 

オリンピックも間近。
この国のやり方は本当にこれでいいのか。
考えさせられました。

 

会 期 2020年1月11日(土)~2月16日(日)
会 場 国立新美術館 企画展示室2E
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