MOVIE

アート

神の宿る写真「川内倫子:M/E 球体の上 無限の連なり」展 @ 東京オペラシティ アートギャラリー

自分はなぜ、川内倫子の作品に惹かれるのか?改めて考えてみた。川内作品には、慌ただしい毎日のなかで後回しにしてしまいがちな大切なことを思い出させてくれる力がある。それは、ふと詩集を手に取り、束の間でも詩の世界にスリップした時の感覚にも似ている。そこはこの世ではないところだ。川内倫子の作品は、身の回りのものことを撮っているのにもかかわらず、「あの世」の佇まいがあると思う。神の視点を想起させるということなのかもしれない。
旅と音楽

【残像日録】夢から覚めても「白春夢」

2020年12月リリースのMy Hair is Bad の「白春夢」。この曲ほど、あのステイホーム期の感覚をよく表している曲があるだろうか。若い人特有の優しい言い回しの歌詞と、つぶやくように淡々と歌い上げる椎木氏のボーカルに、今聴いてもあの頃が自然と思い出され、こころが揺さぶられる。家にいるのに「早く帰りたい」と思ってしまうこと。閉塞感とともに感じる、浮遊感。非現実的な世界にいるようなおさまりのなさ、居心地の悪さ。
本と映画

【残像日録】「凪に溺れる」と「100万回生きたねこ」

青羽悠氏の「凪に溺れる」を読んだ。読み始めてすぐに「面白いけど今の自分には必要のない小説だな」と思った。そして、自分のこの感想は何を意味するのか?と考えた。自分はたぶん、タイトルに惹かれて読もうと思ったのだと思う。海の穏やかな状態である「凪」。そこで溺れるというのはどういうことだろう。タイトルの叙情性に惹かれた。
残像日録

【残像日録】あたらしい日々

残像カフェの「あたらしい日々」。初めてこの曲を聴いたのはもう15年以上前。音楽チャンネルで見て感動して、録画して(当時はYouTubeも発達してなかった)CDも購入した。大森元気氏のふわっとした歌声と、自分のこれまでの人生を思い起こさせるような甘く切ない歌詞。聴いているうちに自分が浄化されていくような、そんな感覚を味わえる曲だと思った。
残像日録

【残像日録】喜怒哀楽のインデックス

とにかく、いまの自分を心地よくするようなインデックスを日頃からストックしておきたいな、なんて思う。せっかく生きているんだから。 死が少しだけ身近に思える、こんな時世だからなおさらのこと。
残像日録

【残像日録】コロナ時代の子ども達 〜シガー・ロスのMVを再び見た

シガー・ロス(Sigur Ros)の「Untitle #1」のミュージック・ビデオをまた思い出すことになろうとうは、思いもしなかった。2003年にリリースされたこのMVを前回思い出したのは、2011年の原発事故のとき。メルトダウンとかメルトスルーとか帰還困難区域とかの文字がこの国で使われ始め、子ども達の健康を案じているころ、このビデオを思い出した。
アート

ピーター・ドイグ展 同時代を生きる 「画家の中の画家」日本初個展!

《エコー湖》 1998年 テート蔵 絵の中央にパトカーが見える。湖のほとりで頭に手をやっている男を見ていると「とりかえしがつかない」という言葉が自然と浮かんだ。ドキドキしてきた。右下の水の面に人の姿のようなものが見える。赤黒い水面が不気味。 夜空のイメージも不安を掻き立てる。
アート

未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命 @森美術館(その1)

イスラム建築で見られる「ムカルナス」という幾何学模様のパターンを参照して、コンピューターシミュレーションによりデザインを生み出したという。切断や組み立てもロボット任せ!AIによるアート作品とも言えるだろう。 めちゃくちゃクールだけどかなり気持ち悪い。フラクタル画像を見たときに感じる、神経を逆撫でする感覚を味わえる。でも最高に面白い!!
アート

DOMANI・明日2020 傷ついた風景の向こうに @国立新美術館

今回の展示は、先の戦争や東日本大震災を核として生まれた作品が中心で、静かにこころに響くものが多かった。
映像

「VISION 」河瀬直美監督

音楽(効果音)が流れるようなことはほとんどない作品。代わりに、森のざわめきが始終響いている。 その音色にはたいてい大勢のひとの声(のようなもの)が混じっている。それを耳にするだけでなぜか全身に鳥肌が立つ。そして、溢れる光。映し撮っている対象物さえ見えないほどの光量。見ている自分が消えてしまいそうになる感覚のある映像
アート

窓展:窓をめぐるアートと建築の旅 @国立近代美術館

東京国立近代美術館に窓展に行きました。 仮に人間存在を主体としたとき、外の世界に対して開かれる窓と言ったら? 目、耳などの五官や頭、心、腹か。そんなことを考えながら展示に向かいました。
アート

話しているのは誰? 現代美術に潜む文学 @国立新美術館

反体制的なメッセージを感じさせるものや、資本主義への疑問、淡々と社会を写し取る写真群など。どれも社会性を帯びた作品ばかりだった。いや、そんな大上段に構えた物言いはそぐわないのかもしれない。なぜならば、彼らが扱っているのは実際、身近なながめや出来事ばかりだから。
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