【残像日録】夢から覚めても「白春夢」

【残像日録】「凪に溺れる」と「100万回生きたねこ」旅と音楽
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日々の残像を、ゆるゆるメモします。

 

2020年12月リリースのMy Hair is Bad の「白春夢」

この曲ほど、あのステイホーム期の感覚をよく表している曲があるだろうか。

 

若い人特有の優しい言い回しの歌詞と、つぶやくように淡々と歌い上げる椎木氏のボーカルに、今聴いてもあの頃が自然と思い出され、こころが揺さぶられる。

 

 

夢の中は今日何曜日の何時なの?
ずっと住み慣れた部屋の中なのに早く帰りたい

〜「白春夢」(作詞作曲:椎木知仁)より

 

家にいるのに「早く帰りたい」と思ってしまうこと。
閉塞感とともに感じる、浮遊感。
非現実的な世界にいるようなおさまりのなさ、居心地の悪さ。

 

確かにあの頃、もう元には戻れないんだ、SFのような現実だ、と何度も思った。

 

不思議と会ってるみたいだった
リモートと言われるならそうだった
匂いのない花みたいだった
でも偽物もないよりマシと思った

 

この時期にリモートでのコミュニケーションが世界中で飛躍的に日常化したことも、わたし達はいつかの未来に思い出すだろう。

 

途中「都庁が真っ赤に染まっていた」という歌詞がある。

あの赤いライトアップは美しくも不吉で、終末感漂う光景にも見えた。
小池都知事が併せて発していた「東京アラート」という単語も、もう忘れかけていた。
東京ではそんなこともあった。

 

わたし達は何でもすぐに忘れてしまう。
でもこういう情景描写ひとつで一連の記憶が喚起され、その時の感情が洪水のように押し寄せてグッときてしまう。

 

今日からもう
ないものを探すよりそばにあるものを大切にしたい

時間が戻らないように 昔に戻れないように
もう元に戻るより 元より良いように
夢からまた夢へ

夢から覚めても まだ夢の中で見てた白春夢

 

切実だったあの春の日々を、こうして叙情的な曲にして残す表現者。

 

何者でもない市井の人(=自分)も、この困難な時代をどう生きて何を感じたか凡庸ではあっても記し続けるのも良いかも、と思った日でした。

 

すべては通り過ぎてゆく。

 

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