アート

「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」@東京都庭園美術館

白金の庭園美術館にて「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」を観覧しました。20世紀最大の芸術運動であったシュルレアリスムは芸術の枠を超えて、人々の意識の深層にまで影響力を及ぼしました。革新的な意匠を生み出し、時代を先駆けようとする優れたクリエーターたちの表現
アート

岡本太郎記念館に行ってきた!

東京・青山にある、岡本太郎記念館に行ってきました。ここ岡本太郎記念館は、1996年、84歳で亡くなるまで、岡本太郎のアトリエ兼住居だった。1954年から40年以上彼が生活した空間である。絵を描き、原稿を口述し、彫刻と格闘し、人と会い、万国博の太陽の塔をはじめ巨大なモニュメントや壁画など、あらゆる作品の構想を練り、制作した場所。彼のエネルギーが今も満ち満ちている。
アートとデザイン

MONDO 映画ポスターアートの最前線 @国立映画アーカイブ

2022年春、京橋にある「MONDO 映画ポスターアートの最前線」@国立映画アーカイブを見に行ったときの記録です。どれも馴染みの深い映画ばかりでしたが、このような映画ポスターアートの文化があることは知りませんでした。プロの手による「二次創作」とも言えるのかな。シルクスクリーンで印刷される限定版の映画ポスターは、オンラインショップを通じて世界で熱狂的なファンを獲得しているのだそうです。確かに圧巻の作品揃いでした。
アート

【残像日録】愛とアートの効用〜 「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」

アフリカ系アメリカ人のゲイツが自身のルーツと日本の「民藝」をハイブリットさせた、多角的な芸術作品群。新しい。他に例を見ない、少なくとも自分は見たことがない、興味深い世界だった。グローバルな時代だからこそ生まれた表現だとも思う。現代アートというカテゴリーの豊かさと、ポテンシャルの高さよ。。
アート

セーラちゃん館長「まぼろし博覧会」@伊東市を探訪!「キモ可愛い楽園」を体験した

静岡県伊東市にあるウワサの「まぼろし博覧会」に行きました。「館長のセーラちゃんに会いたい!」という家族の強い要望により、江ノ浦測候所探訪の翌日に訪れることになりました。「まぼろし博覧会」とは?NHKの人気番組『ドキュメント72時間』で見たことはありましたが、まぼろし博覧会は『キモ可愛い』をコンセプトにしたユニークな博物館です。閉園した熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」跡地にあります。
アート

杉本博司の集大成!感動のアート体験・小田原「江之浦測候所」に行ってきた

現代美術家 杉本博司氏が構想・設計した、小田原にあるアート施設「江之浦測候所」。2017年に完成してから、ずっと訪れたかったところでした。「測候所」と銘打っていますが、こちらは自然と芸術が融合した文化施設。小田原の静かな環境に包まれたアートの宝庫です。杉本博司の芸術的ビジョンと日本の自然美が融合した、唯一無二の場所なのです。パンフレットにある江之浦測候所の航空写真。長いギャラリーがひときわ目を引きます。4月に訪れたので、写真のように桜と菜の花がきれいでした。
アートとデザイン

「越後妻有 大地の芸術祭」2023〜 越後湯沢駅発のアートバスツアーに参加した

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、新潟県の越後妻有地域(十日町市および津南町)で開催される国際的なアートイベントです。トリエンナーレは、3年に一度の国際美術展覧会。2023年は会期年外シーズンでしたが、通年公開している野外作品や施設作品、そして秋の里山の美しさを楽しむことができました。今回の旅は、越後湯沢に1泊2日。作品を効率的に巡るために、越後湯沢駅発のアートバスツアー*に参加しました!作品には、自然と人間の共生・地域社会とのつながりを重視したものが多く見られました。マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」ツアーバスがまず向かったのは、日本三大渓谷の1つ、十日町の清津峡。柱状節理の岩肌が延々と続く雄大なスケールの自然に圧倒されました。そして、全長750mの清津峡渓谷トンネル内に点在するのは、マ・ヤンソンの作品。長くて暗いトンネルの中を歩きながら作品を見る体験ははじめて。ワクワクしました。
アートとデザイン

スリコで購入したAPPLEライクなキーボードが使える!

3COINS(スリーコインズ)で購入したキーボードを、iPad用にとても便利に使ってます。 価格はなんと1,500円!商品名は「WIRELESS KEYBOARD(Bluetooth搭載キーボード)」。デザインはぱっと見、Appleのワイヤレスキーボードにそっくり。まあ本家に比べたら、作りはもちろんそれなりですが。Bluetoothも増えてくるとデバイスによってはちょっと接続が面倒だったりするので、キーボードだけは専用にしたかった。配列さえ慣れれば、同じ感覚で使えます。しかもAppleより軽い。重量は233g。Apple同様、乾電池は別途購入が必要です。欲を言えば、Enterキーがもう少し大きいといいな。自分はShiftキーはあまり使わないのでもっと小さくても。あとはキーを叩くと音がちょっとチープかな。
アートとデザイン

OpenAIのSORA爆誕!〜AI黎明期を満喫する

最近の自分の楽しみ、それはAIサービスの変遷ウォッチです。ここ1-2年、この分野の成長は本当に速くて、単純にワクワクさせられています。そして今「インターネットが個人ユースになったあの頃」と同じ匂いを感じています。自分は化石のように古い人間で、そのときの興奮を今でもはっきりと覚えてますのじゃ😇検索窓に調べたい語句を入れると、それに関する記事がずらずらと出てきて呆気にとられたこと。これは革命じゃないか!と思ったこと。だが近場の友人(ママ友)達にその興奮を伝えると、大抵胡散臭い目で見られたものだった。 「え。。インターネットってあれでしょ?いかがわしい写真とかがあるやつ......」自分も画像生成AIの DALLE3、動画生成AIの Runway Gen-2、音楽生成AIの Suno AI を使って動画を作ってみました。“Portraits of young people in the 1990s” と題して、1990年代若者のポートレートをMV風にしました。
残像日録

【残像日録】春らしく可愛いマカロンを焼いてみたよ

ところでマカロンは、フランスのお菓子のイメージが強いけど、実はイタリアが発祥なんだって。原型はアマレッティというお菓子で、古代ローマ時代から作られていた伝統的なお菓子なのだそう。そして、現代のマカロンの原型を作り上げたのは、フランス・パリの老舗パティスリー「LADUREE(ラドゥレ)」。ガナッシュのクリームをはさむ形が人気を呼びました。
本と映画

「死は存在しない〜 最先端量子科学が示す新たな仮説」で田坂広志氏が提示した現代の救い

「死は存在しない」これがタイトルだけど、肉体としての死はもちろん存在し、それを経て我々がどうなるのか?ということが著されている。結論から言うと、ひととしての自己を終えた我々の意識は、もともと自分がいたところである「宇宙意識」の域(=ゼロ・ポイント・フィールド)に帰っていく。死んでこの体がなくなったら、どんなふうになるのだろう?誰でも一度は考える。死んだらすべてが消えて、はいおしまい、と思う人が多いだろうか。自分は、死ぬと怒りや悲しみなどの「感情」が消え、フラットな意識(は残ると思う)の状態になるのでは?と、ぼんやりと思ってきた。ひとの感情の動きは、ホルモンなど伝達物質を含む肉体に属していると思うから、死んだらそれは終了。一方、魂(というのも曖昧だが......)に司られている(のでは?と思う)意識の方は、感情に邪魔されないので今よりも明晰になる、と。これは年をとり、気力も衰え、感情の動きもやや凪いできた年代になって思うようになった。自分の中の鬱陶しい感情の数々。これ、すべて身体の成せるワザだ。肉体がこれらを感じさせているんだ、とある時気がついた。若い頃はそれ(感情)こそが人間そのもの、と思ってた。それは事実ではあるけれど、そればかりじゃないだろう、と今は思う。
アートとデザイン

佐々木香菜子『MOVE』展@六本木ヒルズADギャラリー

青が美しかった。作品を前にしてすぐにイメージしたのは、むかし見た鳴門海峡のながめ。 激しくうねる海の様子に圧倒されたことを思い出した。大海原の激しさを感じさせるが、観ているうちに、深い精神性を感じさせる作品にも見えてくる。美しい。
アート

「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」@東京都庭園美術館

白金の庭園美術館にて「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」を観覧しました。20世紀最大の芸術運動であったシュルレアリスムは芸術の枠を超えて、人々の意識の深層にまで影響力を及ぼしました。革新的な意匠を生み出し、時代を先駆けようとする優れたクリエーターたちの表現
アート

岡本太郎記念館に行ってきた!

東京・青山にある、岡本太郎記念館に行ってきました。ここ岡本太郎記念館は、1996年、84歳で亡くなるまで、岡本太郎のアトリエ兼住居だった。1954年から40年以上彼が生活した空間である。絵を描き、原稿を口述し、彫刻と格闘し、人と会い、万国博の太陽の塔をはじめ巨大なモニュメントや壁画など、あらゆる作品の構想を練り、制作した場所。彼のエネルギーが今も満ち満ちている。
アートとデザイン

MONDO 映画ポスターアートの最前線 @国立映画アーカイブ

2022年春、京橋にある「MONDO 映画ポスターアートの最前線」@国立映画アーカイブを見に行ったときの記録です。どれも馴染みの深い映画ばかりでしたが、このような映画ポスターアートの文化があることは知りませんでした。プロの手による「二次創作」とも言えるのかな。シルクスクリーンで印刷される限定版の映画ポスターは、オンラインショップを通じて世界で熱狂的なファンを獲得しているのだそうです。確かに圧巻の作品揃いでした。
アート

【残像日録】愛とアートの効用〜 「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」

アフリカ系アメリカ人のゲイツが自身のルーツと日本の「民藝」をハイブリットさせた、多角的な芸術作品群。新しい。他に例を見ない、少なくとも自分は見たことがない、興味深い世界だった。グローバルな時代だからこそ生まれた表現だとも思う。現代アートというカテゴリーの豊かさと、ポテンシャルの高さよ。。
アート

セーラちゃん館長「まぼろし博覧会」@伊東市を探訪!「キモ可愛い楽園」を体験した

静岡県伊東市にあるウワサの「まぼろし博覧会」に行きました。「館長のセーラちゃんに会いたい!」という家族の強い要望により、江ノ浦測候所探訪の翌日に訪れることになりました。「まぼろし博覧会」とは?NHKの人気番組『ドキュメント72時間』で見たことはありましたが、まぼろし博覧会は『キモ可愛い』をコンセプトにしたユニークな博物館です。閉園した熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」跡地にあります。
アート

杉本博司の集大成!感動のアート体験・小田原「江之浦測候所」に行ってきた

現代美術家 杉本博司氏が構想・設計した、小田原にあるアート施設「江之浦測候所」。2017年に完成してから、ずっと訪れたかったところでした。「測候所」と銘打っていますが、こちらは自然と芸術が融合した文化施設。小田原の静かな環境に包まれたアートの宝庫です。杉本博司の芸術的ビジョンと日本の自然美が融合した、唯一無二の場所なのです。パンフレットにある江之浦測候所の航空写真。長いギャラリーがひときわ目を引きます。4月に訪れたので、写真のように桜と菜の花がきれいでした。
アートとデザイン

「越後妻有 大地の芸術祭」2023〜 越後湯沢駅発のアートバスツアーに参加した

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、新潟県の越後妻有地域(十日町市および津南町)で開催される国際的なアートイベントです。トリエンナーレは、3年に一度の国際美術展覧会。2023年は会期年外シーズンでしたが、通年公開している野外作品や施設作品、そして秋の里山の美しさを楽しむことができました。今回の旅は、越後湯沢に1泊2日。作品を効率的に巡るために、越後湯沢駅発のアートバスツアー*に参加しました!作品には、自然と人間の共生・地域社会とのつながりを重視したものが多く見られました。マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」ツアーバスがまず向かったのは、日本三大渓谷の1つ、十日町の清津峡。柱状節理の岩肌が延々と続く雄大なスケールの自然に圧倒されました。そして、全長750mの清津峡渓谷トンネル内に点在するのは、マ・ヤンソンの作品。長くて暗いトンネルの中を歩きながら作品を見る体験ははじめて。ワクワクしました。
アートとデザイン

スリコで購入したAPPLEライクなキーボードが使える!

3COINS(スリーコインズ)で購入したキーボードを、iPad用にとても便利に使ってます。 価格はなんと1,500円!商品名は「WIRELESS KEYBOARD(Bluetooth搭載キーボード)」。デザインはぱっと見、Appleのワイヤレスキーボードにそっくり。まあ本家に比べたら、作りはもちろんそれなりですが。Bluetoothも増えてくるとデバイスによってはちょっと接続が面倒だったりするので、キーボードだけは専用にしたかった。配列さえ慣れれば、同じ感覚で使えます。しかもAppleより軽い。重量は233g。Apple同様、乾電池は別途購入が必要です。欲を言えば、Enterキーがもう少し大きいといいな。自分はShiftキーはあまり使わないのでもっと小さくても。あとはキーを叩くと音がちょっとチープかな。
アートとデザイン

OpenAIのSORA爆誕!〜AI黎明期を満喫する

最近の自分の楽しみ、それはAIサービスの変遷ウォッチです。ここ1-2年、この分野の成長は本当に速くて、単純にワクワクさせられています。そして今「インターネットが個人ユースになったあの頃」と同じ匂いを感じています。自分は化石のように古い人間で、そのときの興奮を今でもはっきりと覚えてますのじゃ😇検索窓に調べたい語句を入れると、それに関する記事がずらずらと出てきて呆気にとられたこと。これは革命じゃないか!と思ったこと。だが近場の友人(ママ友)達にその興奮を伝えると、大抵胡散臭い目で見られたものだった。 「え。。インターネットってあれでしょ?いかがわしい写真とかがあるやつ......」自分も画像生成AIの DALLE3、動画生成AIの Runway Gen-2、音楽生成AIの Suno AI を使って動画を作ってみました。“Portraits of young people in the 1990s” と題して、1990年代若者のポートレートをMV風にしました。
アートとデザイン

佐々木香菜子『MOVE』展@六本木ヒルズADギャラリー

青が美しかった。作品を前にしてすぐにイメージしたのは、むかし見た鳴門海峡のながめ。 激しくうねる海の様子に圧倒されたことを思い出した。大海原の激しさを感じさせるが、観ているうちに、深い精神性を感じさせる作品にも見えてくる。美しい。
アートとデザイン

『ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会』展 @森美術館

モノクロームの美しい写真群。その着想が面白い。写真を前に鑑賞者が知識人達に思いを馳せる。その時間も含めて作品になる。米田氏はロンドン在住。
アートとデザイン

『ソール・ライターの原点 ニューヨークの色』展 〜 ライターのキッチン絵画は憧れ!

2013年、ソール・ライターがこの世を去った時点で、未整理の作品はカラースライドだけでも数万点にのぼり、翌年に創設されたソール・ライター財団によって、アーカイブのデータベース化が着手され始めました。没後にも関わらず、ソール・ライターは常に新たな発見が続く“発展途上”の作家でもあります。
アート

セーラちゃん館長「まぼろし博覧会」@伊東市を探訪!「キモ可愛い楽園」を体験した

静岡県伊東市にあるウワサの「まぼろし博覧会」に行きました。「館長のセーラちゃんに会いたい!」という家族の強い要望により、江ノ浦測候所探訪の翌日に訪れることになりました。「まぼろし博覧会」とは?NHKの人気番組『ドキュメント72時間』で見たことはありましたが、まぼろし博覧会は『キモ可愛い』をコンセプトにしたユニークな博物館です。閉園した熱帯植物園「伊豆グリーンパーク」跡地にあります。
アート

杉本博司の集大成!感動のアート体験・小田原「江之浦測候所」に行ってきた

現代美術家 杉本博司氏が構想・設計した、小田原にあるアート施設「江之浦測候所」。2017年に完成してから、ずっと訪れたかったところでした。「測候所」と銘打っていますが、こちらは自然と芸術が融合した文化施設。小田原の静かな環境に包まれたアートの宝庫です。杉本博司の芸術的ビジョンと日本の自然美が融合した、唯一無二の場所なのです。パンフレットにある江之浦測候所の航空写真。長いギャラリーがひときわ目を引きます。4月に訪れたので、写真のように桜と菜の花がきれいでした。
アートとデザイン

「越後妻有 大地の芸術祭」2023〜 越後湯沢駅発のアートバスツアーに参加した

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、新潟県の越後妻有地域(十日町市および津南町)で開催される国際的なアートイベントです。トリエンナーレは、3年に一度の国際美術展覧会。2023年は会期年外シーズンでしたが、通年公開している野外作品や施設作品、そして秋の里山の美しさを楽しむことができました。今回の旅は、越後湯沢に1泊2日。作品を効率的に巡るために、越後湯沢駅発のアートバスツアー*に参加しました!作品には、自然と人間の共生・地域社会とのつながりを重視したものが多く見られました。マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」ツアーバスがまず向かったのは、日本三大渓谷の1つ、十日町の清津峡。柱状節理の岩肌が延々と続く雄大なスケールの自然に圧倒されました。そして、全長750mの清津峡渓谷トンネル内に点在するのは、マ・ヤンソンの作品。長くて暗いトンネルの中を歩きながら作品を見る体験ははじめて。ワクワクしました。
旅と音楽

秋の京都で出会ったラブドラム〜 大石一裕氏のライブ@松の杜くげぬまに行ってきた!

会場となった「松の杜くげぬま」は、みどり豊かなお庭を持つ1928年に建てられた住宅。本当に素晴らしい時間だった。さまざまな鳥の声や虫の音、ひとびとのくらす気配と大石氏のやさしいドラムの音色が渾然一体となって鳴り響いていた。木の葉が揺れ、庭を歩く鳥がいて、それもまた楽曲の景色となる。陶然として、ちょっと眠くなるようなバイブレーション。今回の演奏のテーマは「自然と音楽との調和」とのこと。大石氏はMCの中で無我の境地に触れ、「わたしがラブドラムなのか、ラブドラムがわたしなのか」わからなくなるような演奏を目指していると話されていた。
旅と音楽

【残像日録】ラブドラム〜 秋の京都で出会ったやさしい音色

去年の秋、京都を旅した時のこと。銀閣寺から伸びる哲学の道を永観堂に向けて歩いていると、何となく懐かしいような響きが耳に届いた。いつかのうたた寝の、夢の中で聞いたことがあるような、輪郭のあいまいな、やわらかい音色......。さらに歩いていくと、ひとりの青年が路上に座り、日差しの中で見たことのない楽器を奏でていた。黒くて大きくて繊細な彫り模様が入っている打楽器。それを抱え慈しむようにマレットで叩いている。まるで光と風と戯れるようなやさしい音色。響きが透き通っていて、自然の音に限りなく近い気がした。たちまち惹きつけられてしまった。ラブドラム(Rav Drum)という楽器だという。
アート

李禹煥(リ・ウファン)展 @ 国立新美術館に行った

リ・ウファンの「風景」「点より」「線より」シリーズが美しい。「風景」というタイトルの3つの作品は、オレンジ色の蛍光塗料スプレーで描かれている。この真ん中に立っていると、微妙に異なる色味が自分の頭の中で点滅してくるような気がしてくる。幻惑的な空間に吸い込まれていく感覚。

夏の終わりの北海道!その2〜 憧れの「白金青い池」へ。富良野・美瑛の旅

まず向かったのは「白金青い池」。ガイドなどを見ると、早朝は水面に光が差して美しいとありました。その日はどちらかというと曇りベース。時おり雲から顔をのぞかせるお日さまに願いをかけて、カメラを手に向かいました。神秘的。。このコバルトブルーは、「美瑛ブルー」とも呼ばれているそう。なぜこのように青いの?以下のサイトに解説がありました。それにしても、とうとう見れた、という感じでした。2012年にApple社の公式の壁紙として採用されてから、世界的に有名になった景色。ずっと訪れたいと思っていたスポットだったのです。

夏の終わりの北海道!その1 〜 積丹半島でウニを堪能&美しき小樽の街並み

お腹も心も満たされた昼食後は、次なる目的地・神威岬に向けて積丹半島をひた走りました。晴れたり曇ったりと不思議な天気。地図のかたちを実感できる岬などが見えると、心が躍りました。その最たるものが神威岬の先端!と思い訪れたかったのですが...... 残念ながらその日は強風で入場が許されませんでした。猛烈な風が吹いている。ほんとうに吹き飛ばされそう。チャレンカの小道を歩き始める。
音楽

Sportify(スポティファイ)のちらしが新聞折込に〜 Z世代の生活傾向

数日前、我が家でとっている新聞にSportify(スポティファイ)のちらしが入っていました。Spotifyは世界最大手の音楽配信サービス。スウェーデンの企業。2021年7月時点で、3億6500万人(うち有料会員1億6500万人)のユーザーを抱えているとのこと。(出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/Spotify)色合わせがきわめて北欧。良質な印刷の、カッコいいA3判ちらしを手にとってしみじみとながめました。手触りすべすべです。でも、これって費用対効果としてどうなのだろう......。
残像日録

【残像日録】自然のめぐみと高木正勝

高木正勝は今、山の中に暮らしていて、その自然とともに生きる日々を「こといづ」という本に書いている。豊かな表現がいっぱいで、読んでいるだけで山の風を浴びたような感覚になる。素晴らしい。いずれここにも書こうと思います。高木正勝については過去にも何度か書いています。彼は実に、唯一無二の音楽家だと思う。
旅と音楽

【残像日録】秋の川越散歩

さて、この日のハイライトは、「小江戸蔵里」での利き酒体験でした。「小江戸蔵里」はもともと酒蔵だった建物をリノベーションしてできたのだそう。「おみやげ処」とお食事できる「まかない処」と、埼玉県の34蔵の地酒が揃う「ききざけ処」に分かれており、新しく清潔で洗練されたスペースでした。「ききざけ処」どころで試飲できたのは以下のお酒。ワンコイン(500円)で4種類選べます。もちろんほんの少しずつなのですが、お味は十分楽しめます。
旅と音楽

【残像日録】夢から覚めても「白春夢」

2020年12月リリースのMy Hair is Bad の「白春夢」。この曲ほど、あのステイホーム期の感覚をよく表している曲があるだろうか。若い人特有の優しい言い回しの歌詞と、つぶやくように淡々と歌い上げる椎木氏のボーカルに、今聴いてもあの頃が自然と思い出され、こころが揺さぶられる。家にいるのに「早く帰りたい」と思ってしまうこと。閉塞感とともに感じる、浮遊感。非現実的な世界にいるようなおさまりのなさ、居心地の悪さ。
アートとデザイン

MONDO 映画ポスターアートの最前線 @国立映画アーカイブ

2022年春、京橋にある「MONDO 映画ポスターアートの最前線」@国立映画アーカイブを見に行ったときの記録です。どれも馴染みの深い映画ばかりでしたが、このような映画ポスターアートの文化があることは知りませんでした。プロの手による「二次創作」とも言えるのかな。シルクスクリーンで印刷される限定版の映画ポスターは、オンラインショップを通じて世界で熱狂的なファンを獲得しているのだそうです。確かに圧巻の作品揃いでした。
本と映画

「死は存在しない〜 最先端量子科学が示す新たな仮説」で田坂広志氏が提示した現代の救い

「死は存在しない」これがタイトルだけど、肉体としての死はもちろん存在し、それを経て我々がどうなるのか?ということが著されている。結論から言うと、ひととしての自己を終えた我々の意識は、もともと自分がいたところである「宇宙意識」の域(=ゼロ・ポイント・フィールド)に帰っていく。死んでこの体がなくなったら、どんなふうになるのだろう?誰でも一度は考える。死んだらすべてが消えて、はいおしまい、と思う人が多いだろうか。自分は、死ぬと怒りや悲しみなどの「感情」が消え、フラットな意識(は残ると思う)の状態になるのでは?と、ぼんやりと思ってきた。ひとの感情の動きは、ホルモンなど伝達物質を含む肉体に属していると思うから、死んだらそれは終了。一方、魂(というのも曖昧だが......)に司られている(のでは?と思う)意識の方は、感情に邪魔されないので今よりも明晰になる、と。これは年をとり、気力も衰え、感情の動きもやや凪いできた年代になって思うようになった。自分の中の鬱陶しい感情の数々。これ、すべて身体の成せるワザだ。肉体がこれらを感じさせているんだ、とある時気がついた。若い頃はそれ(感情)こそが人間そのもの、と思ってた。それは事実ではあるけれど、そればかりじゃないだろう、と今は思う。
文学

笑って泣いてやがて染み入る。吉川トリコ著『余命一年、男をかう』を読んだ。

非常に読みやすかった。情景描写がくっきりと鮮やかで、流行りのドラマを見ているみたいにすいすい読み進んでしまった。景気の悪いこの国の社会の状況やコロナ禍も反映されており、市井の人々の今の生活の記録としても読める印象。例えば、仔細にわたって描かれる主人公・唯の倹約術やポイント利用や資産運用に対する知識。老後2,000万円問題が記憶に新しいが、唯の節約も老後資金を意識したものだ。いまの人たちがどんな工夫をして決して多くはない賃金でやりくりしているか......(唯のケースはちょっと極端だけど)後世に伝えるべき風俗史になっているとも感じた。
文学

『月夜の森の梟(ふくろう)』 小池真理子著

夫との出来事の記憶や、彼を亡くしたばかりの今感じることなどが、著者の住む豊かな森の季節の移り変わりとともに語られる。自然描写と心象風景とが響き合い、そして溶けあうような、厳かな境地がどの掌編にも描かれていた。(前書きの最後の行を読んで思ったようなことはまったく余計な心配!なのだった)哀しみからの復活、再生の方法などわたしにはわからない、と著者は書く。わからないこと、それ自体をここで書いてきたつもりだと。
本と映画

『ディープフェイク 〜ニセ情報の拡散者たち』ニーナ・シック著

ディープフェイクとは何か。「AIで生成されたニセのゼレンスキー大統領が降伏を表明しウクライナ市民に投降を呼びかける」フェイク動画が、ネット上に出回った、というニュースを見た。ディープフェイク動画が、世界の未来に揺さぶりをかけるのを目の当たりにした。今回のウクライナ侵攻では、この動画が出る前にもフェイク情報は色々とあったらしい。メディアサイトを装い、親ロシアの主張を繰り返してきたアカウントの編集長の女性の顔と、コラムニストとされてきた男性の顔はいずれも自動生成されたAIの顔だったという。おそらく上に書いたGANが使用されたのではないか。ソーシャルメディアもそうだが、もっとも怖いのはテレビなどのマスメディアがある意図を持ってそういったフェイク情報を拡散することだと思う。
本と映画

クリスマスシーズンになると読みたくなる本「サンタクロースっているんでしょうか?」

この時期になると手に取りたくなる、偕成社の「サンタクロースっているんでしょうか?」(ニューヨーク・サン新聞 社説/中村妙子 訳/東逸子 絵)。自分がまだ子どもでサンタさんを待っていた頃のこと、そして我が子にサンタさんが来ていた頃のことを思い出します。
本と映画

【残像日録】「凪に溺れる」と「100万回生きたねこ」

青羽悠氏の「凪に溺れる」を読んだ。読み始めてすぐに「面白いけど今の自分には必要のない小説だな」と思った。そして、自分のこの感想は何を意味するのか?と考えた。自分はたぶん、タイトルに惹かれて読もうと思ったのだと思う。海の穏やかな状態である「凪」。そこで溺れるというのはどういうことだろう。タイトルの叙情性に惹かれた。
本と映画

ずっと気になっていた ジェームズ・レッドフィールド著「聖なる予言」を読んだ

人間は、誰もが幼少時の家族関係の中で獲得した「コントロールドラマ」を演じているのだとのこと。自分が家族の中でどのように振舞っていたかによって、被害者・傍観者・攻撃者・脅迫者いずれかのドラマを生涯演じ続けるのだという。その事実に気がつき、その言わば脚本というか癖?から抜け出さないと、成長が望めない。 いつまでも同じところでぐるぐるしている人生になってしまうとのこと。
本と映画

インド哲学を想起させる 小川洋子著「ブラフマンの埋葬」

物語のなかで「僕」が飼っている生き物の名前は「ブラフマン」。自分が連想したのは、ブラフマンとアートマンでした。ブラフマン(梵)は、インド哲学における宇宙を支配する原理で、アートマン(我)は個人を支配する原理。これらが同一であることを知ることが、 古代インドにおけるヴェーダの究極の悟り=梵我一如(ぼんがいちにょ)です。そして、「僕」が管理人を務める「創作者の家」に住む創作者たち。作家、詩人、哲学者、画家、音楽家、舞踏家...と色々で、彼らが「アートマン」という位置付けなのではないか?と感じました。一様に我が強いように見える彼らに比して、「僕」や彼の飼う「ブラフマン」はその対極にいるように見えました。
文学

めすねずみに共感 「ねずみ女房」ルーマー・ゴッテン著

いまの境遇に不満があるわけではないけれど、ひょっとしてほかの人生もあり得たのではないか? 今風の言い方をすれば、別の世界線に思いを馳せること。 わたし達は、こういうことをするのはヒトだけだと思っている。 だが、このめすねずみは「今持ってない、何かがほしかった」。自分は、このめすねずみを愛おしく感じた。
アートとデザイン

本棚劇場に興奮!隈研吾建築の「角川武蔵野ミュージアム」に行ってきた その1

大規模複合施設「ところざわサクラタウン」の中にある、角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。図書館と美術館・博物館が融合したような空間、というコンセプトのもとに作られたわくわくするような知の複合施設。館長は編集工学者の松岡正剛氏。入場チケットはあらかじめオンラインで購入しておきました。自分は12:00〜13:00入場枠のKCM スタンダードチケットを購入。一般は、1,200円なり。(当日券は1,400 円)このチケットで本棚劇場を含む4Fと5Fの入場が可能です。
文学

村田沙耶香は異色の作家!「生命式」は人生の流れを変えたい時に読むのがおすすめ

村田沙耶香は現行の文明や常識にとらわれない、清々しいほど狂った世界を生き生きと描き出す。 また、その世界の中で疑問などを感じつつも、我々のように普通に生活している主人公は健気で愛おしく、読み進むにつれ彼女に対しての親しみが深まっていく。
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