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マンダラデザインアートブログのsachiです。
国立近代美術館に、「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」展を観に行きました。
「窓」と聞いて、イメージするものはなんだろう。
窓は、ある世界に対して開かれるもの。
仮にひとを主体としたとき、外の世界に対して開かれる窓と言ったら?
目や耳などの五官や心、頭、腹か。そんなことを考えながら展示に向かう。
以下、感想です。
窓をめぐるアートと建築の旅に、さあ出かけよう。
マティスやクレー、デュシャンなど20世紀美術の巨匠から、リヒターやティルマンスなどの現代美術、ル・コルビュジエやカーンら建築家の作品まで。
ジャンルを超えて集まった、58作家、115点をご紹介します。
出典:https://www.momat.go.jp/am/exhibition/windows/
バスター・キートンの「窓」が印象的な映画シーン(キートンの蒸気船)を映し出したスクリーンから始まった展示。
さまざまな切り口から見た「窓」をモチーフとする作品が並べられていました。
東北大学五十嵐太郎研究室による、窓と建築とアートの歴史をたどる年表。憧れの中銀カプセルタワーもある!
茂田井武の作品は絵本でしか見たことがなかったけど、こんなオシャレなイラスト風のものも描いていたのですね。
なぜに唐突に茂田井武?と思ったが、確かに窓が見える。
窓展にふさわしいです(笑)
茂田井武〈ton paris〉より《いつも歩道を見ている小犬》他 1930-33年
大好きなクレーもあった。
確かに窓っぽくもある。。
パウル・クレー《花ひらく木をめぐる抽象》1925年
これもクレー。可愛いな。
確かに窓がある。タイトルは破壊された村。
パウル・クレー《破壊された村》1920年
一番惹かれたのは、この作品!
ズビグニエフ・リプチンスキというポーランドのアーティスト。
レトロな雰囲気を醸し出しつつも新鮮。魅力的。
基本反復なのにいつまでも見ていられる。
1980年の作品だ。これつくるのは大変な苦労だったことだろう。
ズビグニエフ・リプチンスキ《タンゴ》1980年 ヴィデオ(35mmフィルムより変換) 8分10秒 ズビグ・ビジョン © Zbig Vision
また見たいなーと思っていたら、YouTubeに上がってました。
展示の説明には以下のようにあった。
ボールを追いかけて窓から少年が忍び込んできます。これを合図に、部屋に入って一定の動作を繰り返しては出ていくさまざまな年齢の人が1つの窓と3つのドアから次々と現れます。最終的にその数は36人にのぼります。まだデジタル合成技術のない時代、この作品は、厳密に計算された場所とタイミングで動くよう指示された役者達を別々に撮影し、それらのフィルムを手作業で切り貼りしてつくられました。
素晴らしいです!
ノスタルジックでとても良い。
初めて知った作家だが、林田嶺一氏の立体作品がとても良かった。
1933年生まれで北海道在住だそうだ。
「アール・ブリュット」の分野における企画展で多く紹介されるようになった人だそうだ。
林田嶺一《キタイスカヤ街のとあるレストランの窓》
林田嶺一《とある日用雑貨展のショーウィンドーケース(ハルビン郊外731部隊の幻影)》
林田氏についてはこちらの記事が興味深く読めました。
https://bijutsutecho.com/magazine/series/s6/20617
展示の最後には、ゲルハルト・リヒターの《8枚のガラス》。
約35%は鏡のように像を移し、65%は向こう側が透けて見えると言う特殊なガラス板が8枚。
鏡に映った像と向こうの景色が重なり、さらにそれが8枚のガラスに複雑に反射して、万華鏡のように次々と像が生まれては消えるのを見ることができる作品だそうだ。
ゲルハルト・リヒター《8枚のガラス》2012年
藤本壮介《窓に住む家/窓のない家》 2019年
「窓」にかすってさえいれば何でもOK!と言った感じの展示のラインナップが面白かったです。
2月2日まで!
西日の光る国立近代美術館近くのながめ。きれいでした。
会期: 2019年11月1日(金)~2020年2月2日(日)
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