Light InSight―拡張する光、変容する知覚―@ NTTインターコミュニケーション・センター

アート
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Light InSight ―拡張する光、変容する知覚―
展を観に、初台・東京オペラシティビル内にあるNTTインターコミュニケーション・センターに行ってきました。

面白かった!レポートします。

入場して早々、体験型インスタレーションの中でも予約が必要な「カメラ・ルシーダ」のところへダッシュしました。
三次元音響観察室、と説明がある。どのような作品なのだろう。わくわく。
16:00~の札をもらいます。
まだ一時間近くあったので、同行のT氏とともにオープン・スペースの作品から見ることにしました。

 

ザ・宇宙空間!カールステン・ニコライの無響室《invertone》

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《invertone》 2007年 カールステン・ニコライ

 

これは、無響室
要するに、音の反響を吸収する素材で覆われた部屋における、非日常的な感覚を堪能する作品。前回にひとりで来たときも思い切り楽しんだんだ。

 

空間には,2本のスピーカーが向かい合い,そこから発されたホワイトノイズが空間全体を均質に満たしています.スピーカーの間にたたずむと,ちょうど中間の地点においてノイズが消え,無音がそこを支配します.シンメトリックに相対する各スピーカーから発される逆位相の波形が直接出会うことにより,互いの音が打ち消し合い,一種の「ブラインド・スポット」が出現するのです。

 

ホワイトノイズ!
白色雑音である。
テレビ放送がないとき聴こえる、ざぁーっていうあれ。
そんな単語を聞いただけで気分はもう、ここではないどこか。

二本のスピーカーの間で少しずつ頭を動かすと、ノイズは高く高く高くなり、あるポイントで無音の域に突入する。それが、「ブラインド・スポット
そこはもう宇宙空間なのだった。逝った!

そして、さらに移動するとふたたび音は響いてくる。
それらはまるで自分の頭の中で聴こえているよう。
響かない部屋なので、音響が回りに拡散しないからなのかな。

大好きだこういうの。自分は。もうこの中に住んじゃいたいほど。
「もう一回行ってくる!」
そう言い残しては部屋に駆け込み、いつまで経っても戻ってこない自分に、同行のT氏はちょっぴりうんざりした様子。

 

世にも美しい楽器《TENORI-ON(テノリオン)》

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岩井俊雄のTENORI-ON

展示されていました。ほしいんです。高いんです。
さわったのは初めて。混んでいなくてよかった。

 

《TENORI-ON(テノリオン)》は,グリッド状に配置された16×16個(256個)の発光するLEDボタンを,点を配置したり線を描いたりといった操作によって,グラフィカルに作曲,演奏を行なうことができる電子楽器です.このような「グラフィックかつメカニックな音階システム」によって,楽譜の読み書きができなくても,インターフェイスから視覚的,直感的に操作することが可能になっています。

 

オルゴールから発想されたそうである。
絵を描くように音楽を作曲、演奏するためのシステムという位置づけ。
実に美しいプロダクトだと思う。

 

鑑賞者を選ぶ作品《カメラ・ルシーダ:三次元音響観察室》


《カメラ・ルシーダ:三次元音響観察室》2008年
エヴェリーナ・ドムニチ&ドミートリー・ゲルファンド

 

暗い空間の中で眼が慣れてくると,中央にある水で満たされたアクリル性の球体の中に,音から変換された繊細な光の揺らめきが微かに見えはじめる作品.さまざまな周波数の音波群が,水に含まれる化学的な媒質を通過する際に生じる「音ルミネセンス」現象(音波の通過により冷光が発生すること)により,直接光へと変換され可視化される。

 

16:00のきっちり5分前には集合する。
10人ほどの人数の入れ替え制。いよいよメインイベントだ!

一同、真っ暗な部屋に通される。
闇に目を慣らさせるために6分間じっと座っているように言われる。長いなぁ。。
本当に真っ暗闇で、途中自分が目を開いているのか開いていないのか分からなくなるほどだった。
隣りにはT氏がいるのだけど身じろぎもしない。ちょっぴり不安。
自分の腹が鳴りそうで鳴らないのが、気になってしかたない。

闇の時間がやっと終わる。
係の人に促され、真っ暗闇の中を作品の前に進む。何も見えない。
つまずきそう。作品ってどこだ。
10人の同志達も同じ思いらしく、聴こえるのはおそるおそる移動する静かな衣擦れの音だけ。
係の人の厳かな声。
「はい。ここでお楽しみください」
・・・・・。ちりちりとかすかな音が聴こえる。気がする。
それに伴い、光が発せられるというのだが、あるようなないような、見えるような見えないような。。よく見えないよ!
「はい。終了です」
同志のひとりの「ぷッ」と吹き出す声。見れん。あれじゃ。
どうやら鑑賞には繊細な感性が必要とされるようで、自分のような分かりやすいものばかりを喜ぶ輩にはもったいない作品のようなのでした。。

さて、気を取り直して再び無響室&TENORI-ONコーナーへGO!笑

 

 

見終わってから階下の店でハンバーガーをほおばるT氏にインタビュー。
「何が一番面白かった?」
「暗闇でじっとしていたのが。みんなと心が一つになったような気がする」
T氏、即答。そっちですか!

2008年2月28日までで終了。入場料は400円だった(ネット上の割引券使用)。
T氏は中学生なので無料なり。


ご一緒した入場無料T氏

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