「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ」展 @Bunkamura ザ・ミュージアム

アート
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「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展」
に行ってきました。(会期終了)

 

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上:《お城の庭》J.B.ユエによるデザイン 1785年 銅版プリント・綿(ジュイ製)
中央:《工事の仕事より》J.B.ユエによるデザイン 1783年 銅版プリント・綿(ジュイ製)
下:《グッド・ハーブス》18世紀末〜19世紀初頭 木版プリント・綿(ジュイ製) 全てトワル・ド・ジュイ美術館蔵 ©Courtesy Musée de la Toile de Jouy

 

ヴェルサイユに程近いパリ近郊の町ジュイ=アン=ジョザス。この地の工場で製作された西洋更紗は「トワル・ド・ジュイ」と呼ばれ、フランスの伝統的な生地として広く知られています。本展では、トワル・ド・ジュイ美術館の全面協力のもと、トワル・ド・ジュイの世界を日本で初めて本格的にご紹介します。その代名詞となった田園風景のモティーフの源泉をフランドルのタピスリーにたどり、さらにはヨーロッパだけでなく日本でもセンセーションを巻き起こした更紗の世界を併せてご紹介し、マリー・アントワネットを始めとする当時のヨーロッパの人々を夢中にさせた優雅で楽しいトワル・ド・ジュイの世界へとご案内いたします。

出典:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_toiledejouy/

 

 

「トワル・ド・ジュイ」とは、ドイツ出身のプリント技師、クリストフ=フィリップ・オーベルカンプ(1738−1815年)によってヴェルサイユ近郊の村、ジュイ=アン=ジョザスの工場で生み出された西洋更紗。
「ジュイの布」という意味だそうだ。

チケットやパンフレット、ウェブサイトなどがお洒落。
いかにも女性が好みそうな展示だなぁと思ったが、実際行ってみると見事にほぼすべてのお客さんが女性であった。

 

西洋更紗の源泉は、17世紀後半以降に東インド会社によってもたらされたインド更紗にあるという。
展示はそのインド更紗からスタートし、木版から銅板プリントに移行していった「トワル・ド・ジュイ」の歴史の変遷を順に追っていくものだった。

 

1770年ころ銅板プリントに移行してからの、田園風景モティーフデザインが特に美しかった。
動物画家のジャン=バティスト・ユエが筆頭デザイナーに抜擢されてから、単一の色調で染め上げるテキスタイルが主流になったようだ。
素晴らしい意匠と優れた銅板プリント技術が一体となり、田園風景、神話や文学、歴史などをモチーフに洗練されたものが次々とでき上がっていった。

 

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出展:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_toiledejouy/

 

展示の仕方だが、テキスタイルがむき出しで吊るされているものも多かった。
その気になればちょっと手でふれることも可能!(だめです)
歴史的にも貴重な現存する作品だから、その無防備とも言える展示法に「えっ」と思ったけれども、額とかケースなどに下手に入れると傷みにつながるのかな。
布まわりは湿度が低く通気性がとてもよい状態で管理されていて(風が感じられた)、館内は寒いくらいだった。

 

こういうテキスタイルを長きに渡って、良い状態で保管していくことは大変なのだろうな。
「これはきちんと後世に残さなくては」という多くのひとの意思、そして尽力があったからこそ、今もこの作品が目の前にある。そしてわたし達も楽しめる。古典の素晴らしさとはこういうことなのだろう。

 

下の《工場の仕事》は、1783年の製作。

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出典:http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/16_toiledejouy/

 

フランス革命後にはオーベルカンプの工場も徐々に衰退の道をたどり、彼の死去で工場は閉鎖した。
けれどもトワル・ド・ジュイを始めとする西洋更紗の魅力は、ウィリアム・モリスなど後世のアーティストに深い影響を与え、今日でも優雅なフランスのデザインの一つとして様々な形で親しまれている。そういった流れの展示でした。

穏やかでやさしい気持ちになれるひとときでした。

 

「西洋更紗 トワル・ド・ジュイ展」(会期終了)
開催期間 2016/6/14(火)-7/31(日)
会場 Bunkamura ザ・ミュージアム

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