【残像日録】割れたメスシリンダー
理科室が好きだった。等身大の骸骨の骨格模型や、液体につけた不思議な標本。 目盛りのついた透明のビーカーやフラスコ。試験管。薬瓶も魅力的だった。何かをすりつぶす、乳鉢なんていうのもあったっけ。そしてプレパラート!顕微鏡で観察する液体などをスライド(ガラス板)に置き、薄くて小さいカバーグラスを注意深くピンセットで置くときのドキドキ感。当時の自分のクラスは落ち着きのない男子が多く、理科室の授業のとき班の中にひとりでもそういう子がいると自分ははらはらした。何度注意しても、友達同士じゃれ合ったりしていて危なっかしいったらない。実際に、ふざけていて試験管を落としたり、手荒に扱ってビーカーを割ってしまうこともあった。