アバンギャルド・チャイナ!

アート
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アバンギャルド・チャイナ ~ <中国当代美術>二十年』展
@国立新美術館
 
 

 
 
以前、テレビの番組でちらりと見た中国の現代アート。
何か惹きこまれるものを感じたことを思い出し、同時開催の書道展のついでに寄ってみることにした。
何の予備知識もない自分である。
結果として、大きな衝撃を受けた。国内のアートとも西洋美術とも違う、荒々しくも新鮮なパワーを感じた。
 
 
入口近くに展示されていた王広義(ワン・グァンイー)の二つの彫塑、「唯物主義者」はものすごい迫力。
見たことがないほど力強い像だと思った。
ちょっとロシアを感じるのは共産主義の臭いか。
 
 
以下、印象に残った作家たち覚書。
 
 
丁乙(ディン・イー)
スペースに入ってすぐに鮮やかな蛍光色が目に映る。
ピンク、グリーン、イエロー、極彩色世界!
色とりどりの米印などの記号で埋め尽くされた抽象画が、大小あわせて5枚。
そのキャンバスが白い壁にバランスよく配置されている。
近づいても遠目で見ても全体としてとても美しい。
ずっと見ていたくなった。欲しいです。アクリル。
 
 
張暁剛(ジャン・シャオガン)
デビュー当時のYMOのイメージ。人民服の中国人の陰鬱な印象をそのまま絵にした感じ。日本人から見るとそういう表現になるのかな。
テーマは「血縁」。深層に響いてくる作品ばかりだった。
どの作品も暗い色調で古い昔の写真を見ているようだが、にもかかわらず魅力的でとても新しい。
しばらくその前から動けなくなった。
斜視の人物が二人いる。強いひっかかりを覚える特徴に描かれている。
 
 
方力鈞(ファン・リジュン)
一目見て圧倒された。北京原人のような男達がたくさん。
色味はわりと柔らかいが、人物の表情などが強烈なのである。
そこには、誰にも似ていないのに確かに見覚えのあるような人物が描かれている。
 
 
馬六明(マ・リウミン)
美しい人だ。両性具有を演じる。
彼自身の魅力的な容姿がもう立派な作品なので、ちょっとパフォーマンスすればもう完成だ。存在自体が作品。
 
 
スン・ユアン+ポン・ユウ
暗室でヴィデオを見るような暗い展示が続いた後、強い白色光の広いスペースに出る。
「老人ホーム」という作品。
最初は電動車椅子に乗ってぐったりと寄りかかっているたくさんの老人が蝋人形だとは思わなかった。超リアル。
アラブ風の服装、牧師風の服装、背広姿。国籍も職業もさまざまなようだ。
ぎいぎいときしむ音色とときおり椅子同士がぶつかり合って立てるびっくりするような大きな音。
不気味な雰囲気に、小さな子どもならきっとショックを受けるだろう。
 
 
中国の底力を感じた美術展であった。
 

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