「寺田真由美ー不在の存在ー」展@練馬区立美術館 を観て写真作品について考えた

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えたアート

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練馬区立美術館で「寺田真由美ー不在の存在ー」を観てきました。

自分も写真を撮るので、「写真作品」というものについて改めていろいろと考えました。

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた展覧会のチラシ。若林奮展と両面になっています。

寺田真由美「不在の存在」とは

寺田真由美は1958年練馬区生まれ、ニューヨーク在住のアーティストです。
室内の模型をつくり、本物の一室のように見立てて撮影した写真作品で知られます。ほとんどが白を基調としたモノクロームですが、近年は淡い色が表れ、最近は石彫にも取り組んでいます。

練馬区立美術館には、これまで35点の代表作が寄贈されているそうです。同館での個展は2010年の「不在の部屋」以来16年ぶり。

寺田は、室内模型を作成し、まるで本物の一室のように見立てて撮影した内省的な雰囲気の写真作品を制作しています。

出典:https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202606171781677585

白い部屋に誰かがいた気配が

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた

寺田氏の写真は、実際の部屋ではなくミニチュアの部屋を自然光で撮影したもの。
バルサ材やスタイロフォーム、粘土、布などを使って自分で製作しているのだそう。
2001年に写真作品を始めてからカラーになった近年の作品まで、すべてこの方法でつくられています。

 

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた

《curtain 010401》(2001年)は、窓辺で揺れる白いカーテンを撮ったゼラチン・シルバー・プリント。
「不在の存在」ー つくられた部屋だとわかって見ていても、どの写真もさっきまで誰かがいたような雰囲気が流れていました。

会場にはガラスのテーブル模型がひとつ展示されていました。手のひらに乗るような大きさで、出品リストによると、天板10.5×15.5cm、高さ8cm。

ところで自分は会場では「模型を撮っている」ことは知っていたけれど、あれらの写真のすべてがこんなに小さな模型を撮ったものだとはわかっておらず、帰ってから調べて知ってびっくり。
大きさの違和感がなかったので、普通にモデルルームみたいなものを作って撮影していたのかと思っていたのです……。

淡く色づいた室内シリーズも美しい

初期の作品は白いモノクロームですが、《white chair 150701pa》(2015年、ピグメント・プリント)のあたりから、画面に淡い色が差してきます。
会場にはベッドなどを形どった石彫作品も置かれていました。

* 顔料(がんりょう)

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた

こちらのシリーズは少しサイズ大きめでした。
色づいても夢のような雰囲気は変わらない。

 

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた
さっきまでこの椅子に誰か座っていたのだろうな、、と感じてしまうのはなぜでしょう。

 

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた

あらかじめ構成されたものを撮る写真作品について考える

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた

寺田真由美は、模型の制作をし仕上がりの構図や空気感を決めるなどすべてのセッティングを構成してから撮影するスタイルの写真家です。

先日投稿した、杉本博司の作品群(こちらもゼラチンシルバープリント)と共通するものを感じました。

彼の「ジオラマ」「劇場」シリーズなども、撮影より事前セッティング(仕込み)の方に時間がかかっているのではないでしょうか。
頭のなかにあらかじめ描いた絵を再現するように写真を撮っているイメージです。

一方で、ストリートでライブ感いっぱいに写真を撮る森山大道のような写真家もいて、そのスタンスは対照的です。

自分もカメラを抱えて国内の景色などを撮って回るけど、街角で人を含めたスナップを撮る、となると途端に自意識やら何やらが出て撮れなくなってしまう。ビルとか自然なら照れずに撮れるのに。。
作り込んだ構図を落ち着いて撮る方が、断然落ち着けるし楽しいよな、とか考えたりしました。

 

室内つながりでは、以前見たデンマークの画家ハマスホイを思い出したりしました。
彼はカメラではなく絵筆で描き室内構図を究めました。お家大好きハマスホイ。好き。

 

向かいの部屋は若林奮の鉄

階段を上がって右が寺田展、左が若林奮展。同じフロアの向かい合う展示室で、2つの個展が同時に開かれています。
若林奮(1936-2003)は鉄を主な素材とした彫刻家で、2024年度に寄贈された彫刻《Run and Rest》(1996年)と版画、ドローイングあわせて70点が初公開でした。

寺田真由美「不在の存在」展@練馬区立美術館を観て写真を撮ることを考えた
画像出典:https://www.neribun.or.jp/event/

《Run and Rest》。全長6メートルの鉄。
こちらの展示室は男性的。黒く、重い印象でした。

展覧会情報

練馬区立美術館コレクション 若林奮-Run and Rest-|寺田真由美-不在の存在-
会期:2026年7月25日(土)〜 10月18日(日)
会場・住所:練馬区立美術館 企画展示室1・2/東京都練馬区貫井1-36-16
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:月曜日(9月21日・10月12日は開館、9月24日(木)・10月13日(火)は休館)
観覧料:一般 500円/高校・大学生および65〜74歳 300円/中学生以下および75歳以上 無料
アクセス:西武池袋線「中村橋」駅 徒歩3分
写真撮影:可(フラッシュ・動画撮影は不可)
図録・グッズ:(ご確認ください)
主催:練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
公式サイト:neribun.or.jp

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