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マンダラデザインアートブログのsachiです。
neoteny japan ― ネオテニー・ジャパン
(高橋コレクション)
日本屈指の現代美術コレクターとして知られる精神科医・高橋龍太郎氏が収集したコレクションにより、世界から注目を集める1990年代以降の日本の現代美術の流れと動向をたどる「ネオテニー・ジャパン―高橋コレクション」を開催いたします。
「neoteny=幼形成熟の意」をキーワードに、90年代以降の日本の現代美術にみられる特徴―幼さ、カワイイ、こどものような感性、マンガ、 アニメ、オタク、サブカルチャー、内向的、物語性、ファンタジー、過剰さ、日常への視線、技術の習熟、細密描写、巧みなビジュアル表現 など、日本の現実や若者の心象風景とリンクした世代のアーティストたちが生み出してきた新たな世界を多角的に読み解きます。
出典:https://www.ueno-mori.org/special/2009_neoteny/index.html
上野の森美術館にて、久しぶりに芸術観賞でエネルギーを得たように感じた日でした。
やはり現代アートはいいな。
同時代に生まれ、同じようなものを見ながら日々を生きているアーティストたちの、アウトプットが見たい。
その表現方法が知りたい。
そこから様々なことを感じたいし、驚きたい。
町田久美
作品を前にして目が釘付けになったのは、町田久美。70年生まれ。
日本画の技法で、独特の世界を作り出している。
筆を使って線を引き、紅や黄色や青墨など、彩色はごくわずか。
基本的にモノクロームの世界である。
端正な印象の作風で、わずかに歪んだイメージが描き出される。
惹きつけられた。
今回はマルキ・ド・サドの『淫蕩学校』の挿絵が中心。
「郵便夫」が非常によかった。
町田久美
Art innより
それにしても、最近ことあるごとに思うのは、これらを画集で見たとしてもきっと「きれいな挿絵だな」「巧いな」くらいの感想しか抱かないだろう、ということ。
やはりその前に立って、自分の目で見て感じなければ作品の本当のすごみは伝わってこないんだと思う。
加藤泉
そして、加藤泉。
作品と、対峙する。
なんなんだよこれは。
そう思った。
本か何かで見たことはある。作家の名も知っていた。
でも、こんなに力のある作品だとは知らなかった。
モチーフとなるのは、どれも黒目がちのはだかの人間?
宇宙人みたいにも見える。
土俗的な力があるんだ。ネガのような印象を受けるその絵からゆらゆらと立ち上ってくるものは、なんだろう。
この印象を、どういう言葉にしたらしっくりくるか。分析してみる。
まず第一に、こわいよ。
そして目が離せない。
見ているうちに啓示を受けてしまいそう。
(自分の中の、加藤作品の残像を見ながら、言葉にしようとしているのだけど、それが非常にくっきりと脳裏に焼きつけられていることにも驚く)
そして同時に、やさしい印象。
根源的なものを感じる。
これさえあれば大丈夫と思うものが、そこには内包されているように思う。
作品はすべて無題。当然だ。タイトルなんて必要ない。
題をつけることによってたちまち俗っぽくなってしまうだろうから。
そうだ、聖性だ。
この作品から受ける印象をもっとも言い表しているのが「聖性」だ、
と今思った。
加藤泉
ex-chamber museumより
(2020年追記)
加藤美佳
油絵で描いた少女の絵が美しい。
美しすぎてどこかに突き抜けてしまっている。
単なるきれいな絵画ではない。
美と醜ぎりぎりのボーダーライン上にあることの眩暈が、見る者の心を揺さぶるのか。
加藤美佳
小山登美夫ギャラリーブログより
鴻池朋子
並みの力ではない。もう少しサブカルチャー寄りの人かと思っていたが、藝大出身の正統派の美術家だ。
オペラシティーで個展が始まるらしいから見に行くつもり。
束芋
束芋。いつ見ても味のある作品。
「にっぽんの台所」1999年 束芋
TABlogより
できやよい
できやよいは森美術館で作品を見て、好きになった人。
展示されていたのは大作だった。
きれいだな。かわいいな。ハッピーだな。
ハッピー蛍光グラデーション曼荼羅。
できやよい
ネオテニー・ジャパン公式ブログより
会田誠と奈良美智
会田誠は本当にすごい画力だ。
その他、村上隆・奈良美智など、日本の現代アートを世界に広めた作家のものもあった。
何がすごいってコレクターの高橋龍太郎がすごい。高橋コレクション。
よく集められました。
奈良美智
ネオテニー・ジャパン公式ブログより
高橋氏は日本の現代アートが海外に流出してしまう前に、という思いを抱き収集されているとのこと。
現実には今は美術館がコレクションできない状態で、海外に多くの作品が流出してしまっている。その不幸な状況で、日本の若手作家の作品を初期のものくらいは日本に残したくてコレクションしています。日本のアートが世界に評価されることが最終的な目標みたいなところがある。
そう言えば、入場者に外国人が多かった。
会 場: 上野の森美術館
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