【残像日録】八ヶ岳のふもとにて

初めてのひとり旅を思い返している。

目指したのは八ヶ岳近くの自然豊かな場所だった。

出発の朝は雨。目的地の小渕沢も雨。
雨天決行！

別に何か用事があって移動しているのではない。わたしは旅に出るのだよ。
そう思い、心が浮き立ったことを覚えている。
（本当は現地で、どうしても見たいお寺でのライブがあり、それが旅の原動力だったのだが、道中は忘れることに決めた 笑）

新宿駅でお弁当を買って、正午発のスーパーあずさに乗り込んだ。
あいにくの曇天だったが、車窓の景色もめいっぱい楽しむ。

白いそばのお花があちらこちらで揺れていました。

小渕沢に着くと、八ヶ岳高原線（小海線）に乗り換えた。
列車とシカの衝突により運行を見合わせていましたが、ただ今運転再開しました、とのアナウンスを耳にして、
「いいねえ、いかにも旅先な感じ」
などと思う。

八ヶ岳高原線の甲斐小泉駅。標高1044m。改札を出るとカブトムシのお出迎え。「いらっしゃい。あいにくの雨だねえ」

蜘蛛の巣きらきら。雨の日のお楽しみ。

コスモス畑にいたら、雨があがり晴れ間が広がった。強い日差し。濃いピンクの一輪がまるで発光しているかのよう。

トンボがたくさん飛んでいた。

ポケットのビー玉を取り出し、木の枝に置いてみたり。

綺麗な赤いお花で羽を休めるセミ。さすが八ヶ岳。都会のセミと違い、のびのび。

お寺でのライブを100%楽しみ、カメラを片手に思う存分自然と遊べた、良き旅だった。
早く気兼ねなくまた旅に出たいな。