Mandala Design & Chemicals の sachi です。
『チャロー!インディア』~インド美術の新時代展に行ってきた。
”チャロー”はヒンディー語で”行こう”を意味する言葉。インド各地を拠点に活動する27組のアーティストによる絵画、彫刻、写真、インスタレーション。
インドの現代美術については何の知識もなかった。
ひとりのアーティストも知らないし、どんな作品が作られているのかも知らない。
だがきっと活力を得られることだろうと、浮き立つ気持ちで出かけた。
入場した途端、目に飛び込んできたのは巨大な渦巻きだった。
白い壁に、ラメでできた色とりどりのパーツが整然と並び、それが全体として大きな渦を巻くフォルムになっている。ビバ!渦巻き。
その下の床にはバールティ・ケールの彫刻である横たわる大きな象。圧倒。
インスタレーションで興味深かったのは、シルパ・グプタの作品。
壁一面の白いスクリーンの前に立つと、鑑賞者自身の影と、その上半身に向けて天井からまっすぐに伸びるワイヤーのような影が映る。
自分が歩くとそのワイヤーの影も移動し、スクリーンの中にいるあいだじゅうつながれたような格好になる。
しばらくすると、それを伝わって天井から色々な物の影がゆっくりと落ちてきた。
家具風のものから小さなひとがたのようなものまで。
それが全部自分の影に張りついてしまい外れない。
歩き回るとまるで自分のパーツの一部のように見える。
大量のがらくたを抱えて無様なシルエットになった自分。
生きていくって結局そういうことなのかも、などと一瞬考えるも単純に面白くて、長いこと一人で遊んだ。
シルパ・グプタ氏
アトゥール・ドディヤのポスターはキッチュでポップでキュートだった。これぞインド!という感じ。
しかし、自分は思ったのだ。
全く先入観がないまま飛び込んだインド現代アートの世界のはずなのに、もうむちゃくちゃ決めつけているじゃないか。
要するに、極端に洗練された、言わばスタイリッシュな作品を見ると鼻白む自分がいたのだった。
そんな気取らなくていいから、チープで泥臭く、原色にまみれたあのインドテーストをもっと見せてくれ、と思う自分がいたのである。
それでは、西洋人が日本の現代アートに触れながら「何だ、フジヤマや芸者はないのか」と言っているのとまったく同じじゃないか!
うーん。。
六本木ヒルズ森タワー53階の森美術館で3/15(日)まで。
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