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マンダラデザインアートブログのsachiです。
角川武蔵野ミュージアムに行きました。
隈研吾設計の建物や、エディットタウン(本棚劇場)については、その1で書きました。
さて、そのエディットタウンにあるエディットアンドアートギャラリーの展示物がとても楽しめたので、写真とともにレポートします!
現在の展示内容は以下の2つ。
2020年11月06日[金]〜2021年10月31日[日]
4F エディット アンド アートギャラリー
2020年11月06日[金]〜2021年05月31日[月]
4F エディット アンド アートギャラリー
どちらもフォトジェニックでサイエンティフィック。大好きな分野です。
荒俣ワンダー秘宝館はアカデミックな玉手箱
「想像力」や「アニマ」の見せ方にこだわった荒俣 宏氏監修の驚異の部屋。あらゆる「驚き」に充ち満ち溢れ、生命の誕生から機械仕かけのゾートロープまで、ウンダーカンマーの凝縮からアカデミックの極致まで、体験を重視した多種多様な展示がある。
池袋西武の三省堂内の一角に「ナチュラルヒストリエ」というお店があった。
まるで博物館みたいな雑貨屋さん。
作家さんの珍しい創作万華鏡がずらりと並び、それを覗くのが大好きだった。
たくさんの鉱石やそれにまつわる作品などもあって、探検するようにお店の中を楽しむことができた。
雰囲気がとても好きだったのだけど、残念ながら2020年8月に閉店してしまった。
画像は以下よりお借りしました。
出典:https://pathee.com/epic/story/30
荒俣ワンダー秘宝館に入った瞬間、この「ナチュラルヒストリエ」の空気感をひさしぶりに思い出した。
ひとつひとつ、ゆっくりと時間をかけてのぞきこみ、ながめる。至福の時間。
プロデューサーはウサギノネドコ
本展示は、株式会社ウサギノネドコ がプロデュース。
ウサギノネドコは鉱物や理化学系の雑貨を手がけるお店。
「自然の造形美を伝える」をテーマとして掲げ、植物・鉱物・動物などを標本のように仕立てあげたプロダクトは知的好奇心を刺激し、かつアーティスティック。
画像は以下よりお借りしました。
出典:https://usaginonedoko.net
SNS上でも鉱物好きの垂涎の的なんです。
【ウサギノネドコ京都店ミセより】
本日より蛍石ウィークが始まりました!
緑、黄、紫、ピンクなど様々なカラーのものや、立方体や八面体の形のものなど、世界各地の蛍石をたくさん入荷しております。明日以降のGW期間中、通常通り営業いたします!
皆様のご来店を心よりお待ちしております。 pic.twitter.com/kF1XaqsfPt— ウサギノネドコ (@UsaginonedokoPR) April 29, 2021
【京都店ミセより 入荷のお知らせ】
ハラペコラボのこうぶつヲカシを入荷しました!
鉱物のような美しい琥珀糖です💎ラ・フランスやピーチココナッツなど、1粒ごとに違ったお味を楽しめます。
自分へのご褒美や贈り物にいかがでしょうか。
本日も皆様のご来店お待ちしております。 pic.twitter.com/DuOgofBsef— ウサギノネドコ (@UsaginonedokoPR) February 26, 2021
冨田伊織の「新世界透明標本」
展示されていた作品のなかでもこの透明標本はずば抜けて美しかった。
ずいぶんと前に、東急ハンズで小瓶に入ったものを販売していて目を奪われたことがあったが、こんなにたくさんの種類が一堂に展示されるなんて!
圧巻。
生物の骨格の精巧さ。グロテスクな美しさ。そしてはかなさ。
何もなかったところに生命が生まれ、それらが進化を重ね、このようなかたちになった。その時間にも思いを馳せる。神さまみたいなものの介入も夢想してみたり。
「すべて俺さま作の生物展覧会さ」
神さまがそうつぶやいていたりして。
「透明標本」は、骨格研究の手法をベースとした本物の生物標本だ。
たんぱく質を酵素により分解して透明にしたのち、硬骨を赤紫、軟骨を青色に染色しているそうだ。
作家の冨田伊織氏(1983年生)は、北里大学水産学部在学中にこの手法で制作を始めたとのこと。生物標本でありながら、珠玉の造形作品でもある。
こちら透明標本の展示は、5月31日までだそうです。
エルンスト・ヘッケルの間
こちらがまた素晴らしく興味をそそられたエリア。
エルンスト・ヘッケルはドイツの生物学者であり哲学者で、ダーウィンの進化論を支持し、その思想を広めるのに大いに貢献した人だそうだ。
その彼が描いた生物のスケッチが収められた「自然の芸術的形態」の図版を並べて展示。
これらの美しい生物スケッチは、アール・ヌーボー(1900年代初頭の芸術運動)へ大きな影響を及ぼしたそうだ。1900年に開かれたパリ万博の入場門は、ヘッケルが描いた放散虫をもとに設計したとのこと。
放散虫をもとにした1900年のパリ万博の入場門
出典:http://psieboldii.blog48.fc2.com/blog-entry-25.html
↑↑ こちらのブログに詳しく解説されています。
こちらは一見ただの黒い画面を、フラッシュオンで撮影すると絵が浮かび上がる仕掛けだった。おもしろ!
(ヘッケルが作った仕掛けではなく、鑑賞者を楽しませるための展示アイデア)
生物の学術的な手描きの記録だというのにどれも素晴らしいデザイン画のよう。
シンメトリーの幾何学模様。お洒落なアートみたいでお部屋に飾りたい!
2020年11月06日[金]〜2021年10月31日[日]
4F エディット アンド アートギャラリー
続いてはもうひとつの展示。
《米谷健+ジュリア展》 だから私は救われたい
米谷健+ジュリアは、日本人とオーストラリア人のアーティストユニット。
環境問題や社会問題をテーマに、写真・映像・立体などの大規模インスタレーション作品を制作している。
右は《最後の晩餐》(2014年)
全て「塩」でつくられているそうだ。オーストラリアの塩害がテーマ。
《クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会》2012年-
ウランガラスを素材とし、妖しく発光する作品です。しかし、美しさの一方で、その素材が原発と深い関わりを持つものだと気づいたときに、その美しさは全く違った印象を与えます。原爆、原発事故を経験した日本において、この作品と向き合うことは特別な意味を持つこととなるでしょう。
出典:https://kadcul.com/event/26
シャンデリアの1つ1つには、原発保有国の名前がつけられているそうだ。
シャンデリアの大きさは、その原発が作り出せる電力の総量によって決められている。
《大蜘蛛伝説》(2018年)
天然ウランの採掘が行われた岡山県の人形峠に伝わる、旅人を喰らう巨大な蜘蛛の話をもとにした作品。
米谷健+ジュリア作品は、どれもフォルムが端正で美しく魅力的。
けれども単に目の保養になるだけのアートではない。
そのビジュアルが、なんというか、どうも精神の深部に引っかかる。
鑑賞時に、快と不快の気分を行ったり来たりするような神経的感覚を伴うのだ。
Dysbiotica-Man 2020 ⒸKen + Julia Yonetani Courtesy of the Artists and Mizuma Art Gallery
画像出典:https://www.adfwebmagazine.jp/art/ken-julia-yonetani-holds-their-japans-first-grand-scaled-exhibition-at-kadokawa-culture-museum/
磁器土で作られた作品の表面は、微生物、珊瑚のようなパーツで覆われている。
妖しく光る蜘蛛は尋常でなくデカいし、貝で覆われたひとがたの作品はフジツボが連想されて気味が悪い。
ウランガラスのシャンデリアはとんでもなくゴージャスなのだけど、同時になにか過剰で不穏な雰囲気を放っている。見る者をざわざわさせる。
「最後の晩餐」だって全長が長過ぎるのが只事ではないし、ちょっと怖い。
そんなわけで、鑑賞者は意識せずとも何らかのメッセージを彼らの作品群から受け取ってしまう。
芸術表現のもっとも理想的なアプローチの仕方だと思う。
ウランガラスを素材とした作品展ではこちらもものすごく印象に残っています。
2020年11月06日[金]〜2021年05月31日[月]
4F エディット アンド アートギャラリー
ロックミュージアムショップ
ミュージアムショップには、角川武蔵野ミュージアムの建物を封じ込めたスノーボールや、建物のかたちがボックスになったチョコ、本棚劇場のチーズケーキなどがありました。
1日遊べて楽しかったです。
皆様もぜひ!
その1はこちらです↓
スポンサードリンク:〒359-0023 埼玉県所沢市東所沢和田 3-31-3
開館時間 日~木曜 10:00~18:00 金・土曜 10:00~20:00(最終入館 19:30)
休館日 毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は開館・翌日閉館)
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