本棚劇場に興奮!隈研吾建築の「角川武蔵野ミュージアム」に行ってきた その1

角川武蔵野ミュージアムアートとデザイン
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マンダラデザインアートブログのsachiです。

 

埼玉県東所沢駅から歩いて10分。
大規模複合施設「ところざわサクラタウン」の敷地内にある、角川武蔵野ミュージアムに行ってきました。

図書館と美術館・博物館が融合したような空間、というコンセプトのもとに作られたわくわくするような知の複合施設。

 

館長は編集工学者の松岡正剛氏。

彼の構築した叡智の大空間ともいえる書店「松丸本舗」(丸善 丸の内本店内)の素晴らしさについては、以前書いたことがあった。

 

彼が館長と聞くだけで、否が応でも期待は高まります!!

 

少し長いですが、角川武蔵野ミュージアム公式ページの松岡館長の言葉を抜粋し引用します。

 

想像力とアニマに遊ぶミュージアム

感じる。楽しむ。考える。
私たちには、いつも「脳」と「心」と「体」がともなっています。 五感が動き、リズムや形態に反応し、言葉を交わし、恋をしたり知恵をしぼったりします。 古代の人々はそれを「アニマ」の動きだとみなしました。現代人はそれを計算するニューロンのはたらきだとみなしました。
角川武蔵野ミュージアムは、このような「想像と連想と空想」の原点に立ち返り、 そもそも「アニマ」を動かすものとはどんなものなのだろうかということを、お見せしたいと思っています。
そのため、とても不思議な建物を用意し、たくさんの本を林立させ、連想の翼が広がる展示物を準備しました。 21世紀ならではのテクノロジーやファンタジーも仕込んであります。楽しむ想像力、考える連想力、 感じる空想力をいろいろ「まぜまぜ」することこそが、このミュージアムが提供したいものなのです。

出典:https://kadcul.com/museum/message

 

 

ミュージアム建物設計は隈研吾氏

見る者を圧倒させ、心を捉えて離さない存在感。
ただの建物としては見過ごせない、いつもながらの隈研吾氏建築作品だ。

ひとことでは言い表せない多面体。
見る角度によって見え方がまったく違う。ていうか、ほんと変な外観ですよね。

一度見たら忘れられない。船のようでもあるし要塞のようでもある。

 

 

 

正面から見たところ。これはフクロウかな?

2021年4月現在「コロナ時代のアマビエ」プロジェクト開催中で、建物の表面には鴻池朋子作品「武蔵野皮トンビ」が張り付いていた。

 

 

角川武蔵野ミュージアム

 

回り込むとまたちょっと趣きが変わる。

これは訪れる時間(太陽の位置)によっても印象が違うのでしょうね。

 

 

角川武蔵野ミュージアム

 

左下にあるのがミュージアムの入り口になる。
こちら側から見る建物が一番まとも? 笑

 

工事を担当した鹿島建設いわく、「経験のない多面体だった」。
そりゃそうでしょう!

 

角川武蔵野ミュージアム

 

使われた花崗岩は2万枚、とのこと。

 

 

角川武蔵野ミュージアム

 

こちらの距離を取ったベンチたちは、鉱石のようなフォルム。

きっと硬いのだろうなと(そんなことも思わず勝手に御影石的な材質だと思い込み)何気なく座ったら、ソフトな座り心地でびっくり!

 

角川武蔵野ミュージアム

少し柔らかなタッチで快適。かわいいー。

 

同じ敷地内には、武蔵野坐令和神社という神社もあった。

 

角川武蔵野ミュージアム

 

角川武蔵野ミュージアム

手水舎もさすがスタイリッシュ!

隈研吾氏の設計した建築物は本当に個性的。

 

以前、富山で見た彼の建築物「富山キラリ」が思い出された。

デイルチフーリ作品を観に。富山市ガラス美術館が素晴らしい!
デイルチフーリ作品は繊細かつ、ダイナミック。ガラスなのに、有機的な勢いに満ちている。本当に美しく、迫力があった。富山市ガラス美術館の建物自体が芸術品!建築家の隈研吾氏設計。表情豊かな立山連峰を想起させる外観。美術館内に図書館もあるのだが、それがまた隅々まで美しくデザインされており素晴らしい空間だった。

 

 

こちらは表情豊かな立山連峰を想起させる外観。
木材・ガラスやアルミ、御影石など様々な素材が組み合わされていてとても面白かった。

 

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角川武蔵野ミュージアムに潜入!

さて、外観を十分に楽しんだ後は、いよいよミュージアムの中に入ります。

 

入場チケットはあらかじめオンラインで購入しておきました。
混雑具合もおおよそわかるので便利です。

自分は、12:00〜13:00入場枠のKCM スタンダードチケットを購入。
一般は、1,200円なり。(当日券は1,400 円)

このチケットで本棚劇場を含む4Fと5Fの入場が可能です。
* 2021年5月現在です。最新情報はサイトでご確認ください。

他にも1DAY パスポート回数券などがあったり、
チームラボ/どんぐりの森の呼応する生命、マンガ・ラノベ図書館はまた料金が別だったり、
種類が多過ぎてちょっぴりややこしい印象の料金体系。

 

角川武蔵野ミュージアム
チームラボ/どんぐりの森の呼応する生命(16:00〜)は今回はパス!
出典:https://tix.kadcul.com/?lang=ja

 

 

 

角川武蔵野ミュージアム

 

5F   本棚劇場、武蔵野回廊、武蔵野ギャラリー(武蔵野についての展示)
4F   エディットタウン(図書館)、本棚劇場、エディット& アートギャラリー、荒俣ワンダー秘宝館
3F   EJアニメミュージアム(EJとはEntertainment Japanの意味。アニメ文化の集積地となることを目指すとのこと)
2F   ロックミュージアムショップ、 角カフェ
1F   マンガ・ラノベ図書館、 グランドギャラリー

 

 

角川武蔵野ミュージアム

ピクトグラムのデザインも可愛いな。

 

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知の悦楽 エディットタウンは夢の空間

角川武蔵野ミュージアム

 

こちらは入場してすぐのところにあるボード。
書物はジャンル別にだいたいこんな風なエリア分けで配置されている。

 

本の息づかいや賑わいが感じられる” 街”のような図書空間。松岡正剛氏の監修により世界を読み解くための「9つの文脈」にそって約2.5万冊の本が並ぶ。既存の図書館にはない、まったく新しい先進的な選書のモデルになっている。本は閲覧のみだが、館内であればどこで読んでもよい。

出典:https://kadcul.com/

 

角川武蔵野ミュージアム
松岡正剛氏が選んだ書物がおおよそ25000冊!

 

 

松岡正剛氏の千夜千冊が並んでいる。

2000年の「第1夜 中谷宇吉郎 雪」からスタートした松岡正剛氏のオンラインでのブックレビューサイトコンテンツの書籍化。
2021年04月30日の現在の今では、千夜などとうに過ぎて、1770夜!(1770冊)。
松岡氏のこと、当然ひとつひとつのレビューがただの読後感想で終わるはずもなく、それぞれが深い思索に満ちており、サイト丸ごと「知の集積場」になっている。
(一時期、片っぱしから読んでみようと志したが、あえなく挫折…)
上部にある板書は松岡氏の手によるもの。
文字とイラストが可愛い!

 

 

角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアム

 

うわー。これ全部手にとって、自由に見ていいんだ!

ブックストリートは本当に何時間いても飽きない夢の空間。
(一応チケットは滞在は3hまで、とされている)

 

 

角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアム

 

興味深いジャンルばかりでうきうきするんだけど、これだけあるとなかなかその中の一冊を選び取れないもの。。

感染予防のため、消毒液があちらこちらに設置されていた。
書物にとって水分は大敵だが、時節柄いたし方ないのでしょう。

手にとって閲覧した本はまた棚に戻すのではなく、ところどころに置いてあるワゴンに返却するようにという工夫もされていた。

 

こちらは大好きな杉浦康平さまのコーナー!

 

角川武蔵野ミュージアム

 

杉浦康平は松岡正剛と1971年、雑誌『遊』(工作舎)創刊した古くからのいわば同志。

以前、彼については自分も詳しく書いたことがありました。

 

 

あっ。今気がついたが、松岡正剛との共同企画で完成した『全宇宙誌』by 工作舎(1979年)。

 

 

この名作もきっと館内にあっただろう!
と思い、サイトの中で蔵書検索をいてみたらやはりあった。。

上の記事にも書いたけど、自分はすでに廃版となっているこの本に焦がれながらまだ一度も手にとったことがない(泣)
次回行った際には必ずや!!!

 

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そしてフォトジェニックな本棚劇場!

角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアム

角川武蔵野ミュージアム

高さ約8メートルの巨大本棚にかこまれた空間。KADOKAWA刊行物と、角川源義文庫、山本健吉文庫、竹内理三文庫、外間守善文庫ほかの個人蔵書が一堂に並ぶ。また、本棚劇場では定期的に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとしたプロジェクションマッピングを上映する。約5万冊の書籍を所蔵。

出典:https://kadcul.com/

 

4F、5Fは、吹き抜けの本棚。圧巻のながめ。

この本棚一面をスクリーンにプロジェクションマッピングも催されていた。

 

角川武蔵野ミュージアム

 

4Fから5Fに上がる階段エリアにも本がぎっしり。

 

角川武蔵野ミュージアム

 

しかし、この「本棚劇場」という名称、新鮮なのだけど何か耳馴染みがいいな〜と思っていたら、「本多劇場」(下北沢にある老舗の劇場)と響きが似ているのか、と今気がついた。
別ジャンルだけど、ちょっとした文化つながりでなんか嬉しくなった。

 

こちらは若い人に人気のYOASOBIが紅白で使ってましたね!

 

 

さて、4F エディットタウン内には

エディット& アートギャラリー
荒俣ワンダー秘宝館

があるのですが、ここがまた実に素晴らしかったわけです。

その2に続きます!ぜひ読んでくださいね!

ウランガラスのシャンデリアと透明標本にうっとり...「角川武蔵野ミュージアム」に行ってきた その2
ウサギノネドコは鉱物や理化学系の雑貨を手がけるお店。「自然の造形美を伝える」をテーマとして掲げ、植物・鉱物・動物などを標本のように仕立てあげたプロダクトは知的好奇心を刺激し、かつアーティスティック。米谷健+ジュリア作品は、どれもフォルムが端正で美しく魅力的。けれども単に目の保養になるだけのアートではない。そのビジュアルが、なんというか、どうも精神の深部に引っかかる。鑑賞時に、快と不快の気分を行ったり来たりするような神経的感覚を伴うのだ。

 

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角川武蔵野ミュージアム
〒359-0023 埼玉県所沢市東所沢和田 3-31-3
開館時間 日~木曜 10:00~18:00   金・土曜 10:00~20:00(最終入館 19:30)
休館日 毎月第1・第3・第5火曜日(祝日の場合は開館・翌日閉館)

 

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