「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行ったアート
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六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展を観たときの記録を。
当時はまだ新型コロナ禍の真っ只中。
感染予防に気をつけて、ちょっとビクビクしながら観覧したことを思い出します。

 

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った

長引くコロナ禍により私たちの生活は大きく変化し、これまで見えにくかったさまざまな事象が日本社会の中で顕在化しました。以前はあたりまえのように受け入れていた身近な物事や生活環境を見つめ直すようになったり、共にこの怒涛の時代を生きる隣人たちの存在とその多様さを強く意識するようになりました。そして今後、人流が回復し新たな文化の展開が期待されるなか、あらためて現在の「日本」にはさまざまな民族が共生し、この地に塗り重ねられた歴史や文化が実はすでに色とりどりであることについて、再考が求められるでしょう。その先に私たちはどのような未来を想像し、また共に作っていくことができるのでしょうか。

出典:https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/roppongicrossing2022/

 

 

青木千絵

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青木千絵《BODY》2016-2021 年

どろりと溶けた黒い人体のようなもの。
コロナ禍で死を身近に感じていたせいか、どきっとするような不穏な印象を受けた。

 

金川晋吾

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った

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金川晋吾《長い間》2010-2020年

 

長年にわたって行方がつかめなくなっていた伯母を撮影したポートレート。

顔にはそのひとの人生が刻まれると言うけれど、見ていて少し寂しい気分になった。

 

金川晋吾は、2010年に、しばらく行方をくらませては舞い戻る父親のポートレートを撮影した《father》の展示で、第12回三木淳賞受賞、その後、2016年青舎より写真集として『father』を出版しています。
今回の出品作《長い間》は、父親の姉であり金川にとって伯母にあたる人物のポートレート作品です。伯母は長年にわたって行方がつかめなくなっていましたが、2010年に大阪の病院にいることが明らかになり、以後撮影を行うようになりました。

作品の説明ボードより

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松田 修

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ビデオインスタレーション 松田 修《奴隷の椅子》2020年

風俗街近くの小さなスナック「太平洋」を営みつつ、3人の子供を育てながらの困窮した生活、3回の離婚や親の認知症など彼女が直面した厳しい現実がコミカルに語られます。
(中略)
松田はしばしば自身の生い立ちや社会環境に想を得て作品を制作し、自身を「スラム育ち」と形容しつつ出身地の兵庫県尼崎市に言及することも多々ありますが、本作はその好例です。本展では近年閉店した各地の店舗で使われていた什器や備品と共に本作を展示しますが、これは「太平洋」のような事例が世界中で起きていることを示唆しています。

 

確かにコミカルに語られているビデオなのだけど、うら悲しい気分で胸が詰まりそうになった。
「おかん」がモデルのCGが、その半生を語るもの。
こういう作品を作ろうという作家の創意について思いを馳せる。
アートって確かに美しいものばかりではない。きれいなだけでは面白くないし意味もないだろう。こうして、自分の心が今大きく動いている。そのベクトルの向きは決して明るい方ではないけれど、これもひとつの感動である。
生きていくって大変だな。

 

折元立身

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折元立身《500 人のポルトガルのおばあさんのランチ(記録 映像)》2014 年 ほか

約50年に渡り世界中で活動を続ける折元立身のパフォーマンスのレポート。

認知症となった実母・男代をひとりで世話することになった折元は、母を《アート・ママ》として男代が他界するまで協働を続け、膨大な作品が生まれました。背後には、芸術を志した自らを励まし続けてくれた母への感謝と愛があります。
折元にとって「おばあさん」は実母と重ね合わされる存在であり、戦中・戦後を生き延び、働き、子を育て年老いた彼女たちへのねぎらいと感謝の表現が「おばあさんのランチ」です。

作品の説明ボードより

 

市原えつこ

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った市原えつこ《未来SUSHI》2022年

食品サンプル、食器、回転コンベア、電子パーツ、人型ロボット、3Dプリント素材、アクリル、木材。
これらは制作に使用された素材。
制作協力にもさまざまな機関の名ががずらりと並んでいて、そういうのを見るのが興味深かった。

 

SIDE CORE/EVERYDAY HOLIDAY SQUAD

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SIDE CORE / EVERYDAY HOLIDAY SQUAD《rode work ver. tokyo》2018/2022年

 

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玉山拓郎

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玉山拓郎《Something Black》2022年

 

 

石内 都

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「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行った
石内 都《Moving Away》シリーズ 2015-2018 年ほか

 

 

 

AKI INOMATA

「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」展 @森美術館に行ったAKI INOMATA《彫刻のつくりかた》2018年-

 

AKI INOMATAは、人間以外の生物との「協働」を重視した丁寧な科学的調査と創造的な制作過程により、それらと人間の関係性を再考する作品を制作しています。
《彫刻のつくりかた》は、抽象彫刻を彷彿とさせる木のオブジェで構成されています。驚くべき点は、これらのオブジェの形態がビーバーの仕事によるものだということです。

国内5つの動物園にいるビーバーが噛んだりかじったりした木片を原型に、その3倍サイズの複製を作り、作品化しているとのことだ。面白い。

 

六本木クロッシング2022展:往来オーライ!
会期:2022.12.1(木)~ 2023.3.26(日)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)

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