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マンダラデザインアートブログのsachiです。
昨年11月、大地の芸術祭通年プログラム「2023年の越後妻有」(4/29-11/5)に行きました。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、新潟県の越後妻有地域(十日町市および津南町)で開催される国際的なアートイベントです。
トリエンナーレは、3年に一度の国際美術展覧会。
2023年は会期年外シーズンでしたが、通年公開している野外作品や施設作品、そして秋の里山の美しさを楽しむことができました。
今回の旅は、越後湯沢に1泊2日。
作品を効率的に巡るために、越後湯沢駅発のアートバスツアー*に参加しました!
*【越後湯沢駅発着】トンビかっくうコース
料金は一般(小学生以上) 12,500円
※バス代、昼食代、ガイド代、清津峡渓谷トンネル入坑料、消費税含む。
※参加にあたり別途共通チケットが必要
作品には、自然と人間の共生・地域社会とのつながりを重視したものが多く見られました。
Contents
マ・ヤンソン/MADアーキテクツ「Tunnel of Light」
ツアーバスがまず向かったのは、日本三大渓谷の1つ、十日町の清津峡。
柱状節理の岩肌が延々と続く雄大なスケールの自然に圧倒されました。
そして、全長750mの清津峡渓谷トンネル内に点在するのは、マ・ヤンソンの作品。
長くて暗いトンネルの中を歩きながら作品を見る体験ははじめて。ワクワクしました。
こちらはトイレ「見えない泡」。
こちらは「しずく」という作品。
作品がダイナミックな自然に包まれ、柱状節理の岩壁の美しいながめを取り入れていることが素晴らしい。
‘露のしずく’が第3展望台の湾曲した壁に散りばめられた。 “しずく”は、不確かな窓のように、反射する開口部の連なりである。 自然環境を映しこみながら、現実を投射し、また、水の分子のように超現実的に見える泡が、天井や壁から宙に落ち、時間のなかで凍結する。火のような赤いバックライトで照らされた凸面鏡を覗き込むと、 自然とのもうひとつのつながり――ミステリアスでありながら、あたたかな――を体験することができる。
出典:https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/periscopelight_cave/
そしてこちらは、言わずと知れた映えスポット。「ライトケーブ(光の洞窟)」。
想像していたよりも狭い印象だった。
壁際に沿って靴が濡れないようにそーっと歩いて先端まで行くと、荒々しく切り立った崖と眼下には流れる川が望めた。
半鏡面仕上げのトンネル+幻想的な水鏡は、清津峡の景観を最大限にいかしたインスタレーション。
新緑の季節に来てみたいなー。
内海昭子「たくさんの失われた窓のために」
田園風景の中で、窓枠にかけられた白いカーテンが風にたなびいている作品。
ぼんやりと見ていると、心は自分の内側に向かう。
いつまでも眺めていたい光景だった。
ガイドさんによると、新潟中越地震や東日本大震災の慰霊の作品だとのことでした。
ジミー・リャオ「Kiss&Goodbye(土市駅)」
土市駅の横に設置された作品。
豪雪地帯の越後妻有地域で見られる通称「かまぼこ型倉庫」に着想を得てデザインされたとのこと。
中には、作家の『幸せのきっぷ Kiss & Goodbye』という絵本に沿った絵画や動画が展示されていた。
両親を亡くした少年と飼い犬が列車に乗って田舎のおじいさんを訪ねる物語、だとのこと。
叙情的で可愛らしく少し哀しげな作品が多かった。
色遣いが素晴らしい。カラフルで、愛が感じられる作品世界。
河口龍夫「農具の時間」
黄色一色の空間に、吊るされた農具。
地域の方が実際にそれらを使っている姿をイメージしてセッティング、展示されているそうだ。
展示会場は以下↓。実際にまだ使われている上新田公民館。趣があった。
ともに展示されていた、LEDで色を変えて輝く本のインスタレーションが、幻想的で素敵だった。
カン・アイラン「天の光、知の光-Ⅱ」。
1960年生まれの韓国の作家だとのこと。
「うぶすなの家」でお母さんたちの手づくりランチを堪能
このツアーでちょっと楽しみだったのは、お昼ご飯つきということ!
築100年の茅葺き古民家で、地元の食材を使ってお母さん達が腕を振るってくれたお食事を楽しめるというのです。
バスツアー客は囲炉裏の前の好きな席に座って、こちらのお膳をいただきます。
これが一品一品とっても美味しかった!
お野菜たっぷりのお昼ご飯にもう大満足。
このハンバーグはクワイが入ってるのか?コリコリとして本当に美味。
席のお隣の方とお話したのも楽しかった。ひとりで参加している人が多いと見られた。
最後にうぶすなの家のお母さん達が地元の踊りを見せてくれた。良い雰囲気。
これだから旅は楽しい、と感じました。
上の2画像出典:https://www.echigo-tsumari.jp/visit/tour_2023tonbi/
ジェームス・タレルが手がけた宿泊型体験施設「光の館」
タレルの「光の館」。
ここを見たくて新潟まで来た!今回の旅のお目当てでした。
谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』から、伝統的な日本家屋における親密な光に、自らが制作してきた光の作品を融合させることを着想して作られた作品。
出典:https://www.echigo-tsumari.jp/visit/tour_2023tonbi/
自然との融合を味わえるインスタレーションも体験できた。
和室に参加者みなで寝転がって仰向けになる。天井中心の正方形部分が電動仕掛けで少しずつ動き、天窓を開けてくれるのです。
天気が悪かったのがちょっとだけ残念。お空は真っ白。
もしも晴れていたら、青空や流れる白い雲が見えて、もっとよかっただろう。
ちなみに金沢21世紀美術館で観たタレル作品は、お天気に恵まれました。↓
廃校が舞台となった空間絵本美術館「田島征三 絵本と木の実の美術館」
展示会場となった山奥の廃校。
入り口には可愛らしいサインボード。
廃校になった真田小学校が舞台となった。実在する最後の生徒3人が主人公となり、空間を使った絵本のように構成された。
出典:https://www.echigo-tsumari.jp/art/artwork/hachi_seizo_tashima_museum_of_picture_book_art/
すべての展示ひっくるめて、「空間絵本」という作品形態。
どの作品でも田島征三らしさが爆発。
外の小屋にはヤギも飼われていて、牧歌的な世界に迷い込んだ気分になりました。
越後妻有里山現代美術館 MonET
最後は、越後妻有里山現代美術館 MonETへ。
アートユニット、目[mé]の「movements」
無数の時計の針がぶら下がり、1つ1つがかちこちと動いている。
目の実際の作品ははじめて見た。
名和晃平「Force」
名和晃平の作品は、どれも発想が好き。
無機質な印象なのに、有機的なイメージもある。
以前見たこちらは本当に素晴らしかった↓
大地の芸術祭、次回は会期中に是非行きたいです。
開催概要
日時: 2023年4月29日(土)-11月5日(日)
場所:【越後妻有地域】
越後妻有里山現代美術館 MonET、まつだい「農舞台」フィールドミュージアム、絵本と木の美の美術館、越後妻有「上郷クローブ座」、光の館、越後松之山「森の学校」キョロロ、清津峡渓谷トンネル ほか
料金: ※セット券、個別鑑賞券など施設ごとに異なります
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