平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館アート
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平田晃久(1971年 – )氏についてはまったく予備知識がありませんでしたが、建て替え予定の練馬区立美術館の設計を担当している建築家、ということで興味を惹かれ展示を観に行きました。

 

練馬区立美術館では、建築家・平田晃久の建築世界を紹介する展覧会を開催します。「建築とは<からまりしろ>をつくることである」というコンセプトは、平田の建築に一貫しています。平田の造語である<からまりしろ>とは、はっきりと形作られる空間領域とは異なり、「ふわふわとした隙間の錯綜」、つまりはあらゆる物質の傍らとも言える領域の重なりを指します。

出典:https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202402101707551005

 

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

 

 

カプセルホテル「19h(ナインアワーズ)赤坂」を設計

平田氏は、カプセルホテルの「ナインアワーズ赤坂」の設計者だとのこと。

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館
出典:https://www.axismag.jp/posts/2018/05/92529.html

スタイリッシュなカプセルホテル。レトロフューチャーな雰囲気。
いつか泊まってみたいな。

 

泡のような建築物「Foam Form

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

こちらは台湾の高雄、ポップミュージックセンターと海洋文化展示施設の国際コンペティションに出した案だそう。
タイトルは「Foam Form」。

有機的なデザインが印象的。日本人のセンスではないみたい。素敵。

 

私たちは、液体の世界(海)と気体の世界(陸)の間に、そのどちらでもない泡のような建築を提案することを考えた。泡のように立体的にネットワークをなす構造体の原理を、遺伝子のように様々に進化させて、多様なブログラムに対応した様々な場所をつくる。最も印象的なのは125mの河幅をスパンする泡のような3次元トラスのブリッジで、トラス自体が人々のための場所、観光客が必ず訪れるような海の街のシンボルとなる。

設計期間:2010年6月-2011年1月

展示ボードより

 

こちらも平田氏の建築↓

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館
Tree-ness House (2017) © Vincent Hecht
画像出典:https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202402101707551005

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平田晃久氏設計の練馬区立美術館・貫井図書館

こちらは練馬区立美術館・貫井図書館の建て替え計画案の展示。

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

ここに展示されているのは、ワークショップを通した練馬区民の手による成果物と、それとの対話を通して我々が行なったさまざまなスタディである。(中略)市民活動そのものが、建築のあらわれをつくる、新しい時代の公共建築である。

展示ボードより

 

2025年度中に休館・工事をスタートし、2028年度に竣工・開館の予定だとのこと。

 

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

完成予想図はこんな感じ。かっこいい。

 

仙台市役所のプロポーザル案「Sendai Tree

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

こちらも素晴らしい。
仙台市役所本庁舎建替のプロポーザル案とのこと。

巨樹をイメージしているそうだ。タイトルは「Sendai Tree」。

(残念ながら別の建築事務所案が採用されたとのこと)

 

響きの響き 一 時空の波打ちぎわ

最後のエリアは、彼の考える建築とはなにか、どうあるべきか、ということが理解できる美しいたたずまいのスペースだった。

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

 

平田氏の建築哲学のようなものに触れられるような説明があり、物語を大切にして仕事をする人なのだろう、と心動かされた。

少し長いけど以下に引用しておきます。

もう一つ、考えていることがある。今を生きる私たちが奏でる<響き>がある意味で現世的だとすれば、それとは全く異なる<響き>をそこに重ねることだ。今ではないいつか、ここではないどこか、私ではない誰かからやって来るく響き>が、現世的なく響き>と重なる時、そこには高次の<響きの響き>が生まれるだろう。
たとえば、練馬の美術館・図書館の設計において、「富士塚」のことに触れ、富士山を遠く離れたところから見続けてきた人々の意識と、現代の人々の多様な活動を共存させようとしたのも、そんな考えからだ。多層的な響きを持つ建築によって、アートや本の周りに発生する多様な活動と、この街に生きる人々の日常や、長い時間の中で引き継がれてきたものが、さまざまな差異を孕みながら隣接し、共存する。
時空の波打ちぎわからやって来るような<響き>。それは歴史というものを思わせるけれど、物語として記され確立されたものというよりは、どこか感覚的で曖味なものだ。1000年をこえるような時の中で、多様に引き継がれ、変容してきた感受性のようなものを、現代の建築に引き込むこと。

展示ボードより

 

 

平田晃久|人間の波打ち際 展 @ 練馬区立美術館

いくつかのスケッチノートの展示もありました。

会場では、スペースごとに建築家本人が作品について説明する動画が流されており、それが分かりやすくてとても参考になりました。

 

建築家・平田晃久氏に今後とも注目していきたいです。

 

平田晃久―人間の波打ちぎわ
会期:
2024年7月28日(日)~9月23日(月・休)
会場:練馬区立美術館

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