『文字の力・書のチカラ』展 ~ 出光美術館

アート
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Mandala Design の sachi です。
 

 
 
筆・墨・紙。
白地に黒。
こんなにシンプルな表現ツールと手法で、あんなに多様な世界が展開される。
無限の力を持った芸術だなと思う。
 
― 古来、記録することを主たる目的として機能してきた
一方で、人々は、語らう言葉や満ちあふれる思いを、
おのおのの書の表現力によって書きとどめてきました。
ことばの持つ独特の響きや意味内容のみならず、
書かれたその表情や姿形の妙趣がこれに連動することで、
世界は果てなく広がり伝わりゆく。ここに書の魅力が
あります。―
            『文字の力・書のチカラ』より

 
 
何千年もの歴史の中で変化してきた文字。
時代によって様々な書体があるのが面白い。
 
 
自分は古代文字に特にぐっとくる。
古代文字とはもっとも古い漢字で、甲骨や青銅器、石などに彫られた文字をいう。(おおよそ殷王朝時代から秦の始皇帝の文字統一の頃まで)
 
 
天来書院より転載
 
 
泰山刻石 臨書
鎌田舜英の書の展示室より転載
 
 
会場入り口のガラスには主催者側のキャッチコピー
が掲げられていた。
 
 
「ぱっと見てわかったつもりの書の姿
読んだとたんに消える印象」

 
 
なるほど。
その場でしばし唸る。
それでも、自分のような者にとっては読もうと思ってもすらすらと読める書などあろうはずもなく、書かれた文字の姿形や、書かれてないところの余白などを楽しんでいるわけなのであり、こんな自分でよかった、と思ってみたり(笑)
その構造や内情を知ってしまったことによってそのもの純粋を楽しめなくなってしまう、ということが世の中には応にしてあるものなのだなぁ。
 
 
バランスだな、と思った。
書も、ポスターやロゴを作るときと同様、一つ一つのアイテムがどのような形と大きさで「どこに」置かれているか、ということが印象の多くを決めるのだと思う。
もちろん、墨の濃さや筆の柔軟性、さらには紙に向かうときの精神状態などは肝心だ。
けれどももっとも大きな決め手となるのは「どこに」だと今回は思った。
展示作品の中では青山杉雨と富岡鉄斎の書がとてもよかった。
 
 
(『文字の力・書のチカラ』展 ~2/15終了)
 

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