【残像日録】草むしりビギナー

草をむしる残像日録
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日々の残像を、ゆるゆるメモします。

 

庭の草むしりをしたら、いつもはめったに人をほめない家族から非常にほめられ、びっくりした。
「今までで一番きれいになった!」
そう言われたけど、自分ではよくわからない。
庭周りの管理はいつも彼がやってくれていた。

 

そう言えば自分は、20年もここに住んでいるのに庭をよく見たことがなかった。

「草むしりをするか」
そう思って、今回ほとんど初めて庭のようすをまじまじと見た。

 

シイやケヤキなどの根元には色々な種類の草が生え、小さな花も咲いており、どれを抜きどれを残すべきなのか、検討がつかなかった。
「雑草」とは、どこまでをそう言うのか。。
あちこちにからまっているアイビーの蔦が事態をさらに複雑に見せており、自分はのっけから途方にくれた。

 

その戸惑いを庭管理者氏にそのままぶつけると、
「意味わかんないんだけど。全部抜いていいよ」
というお答え。
え。全部って…お花とか咲いてるのに抜いちゃっていいの…?

 

開始直後は、
「これは残した方がいいよね?こっちは抜いていいかな?」
と自問自答しながら作業していた。
時間がものすごくかかる。
腰もつらいが頭も疲れる。

 

ひとは生きているあいだ、様々な選択をしている…
選ぶという行為は前頭葉を使い多大なエネルギーを要する…
どこかで読んだフレーズがあたまの中を回り始める。

 

30分もすると、何かが吹っ切れた。

 

わかった、もう全部ひっこ抜くことにするよ!

 

そう決めてからは早かった。手当たり次第に引き抜いた。作業はどんどん進んだ。

 

草むしりにもきちんとした方法があるのだろう。
自分の草むしりはほんとに、むしっただけ、だと思う。
根っこまですっと抜けたのなんて、きっと3割もない。
しばらくするとまた伸びて、もとの木阿弥になるのでは?と思っている。

 

やる前にはもっと、虫けらやら何かの死骸やらがぞわぞわと出てきておぞましいながめを見るのでは、と思っていたが、最初から最後まで意外にクリーンなイメージだった。
ミミズもコガネムシもみんな可愛かった。
ぷんと鼻をつく土の匂いがとても良い。
子どもの頃のことを思い出した。

 

3-4時間も続けると、あたり一面きれいになった。

「僕が植えたアイビーがあとかたも無くなってる…」と言う声が背中で聞こえたような気もしたが、結果オーライ!

腰や手先も痛くなったが、気分爽快の草むしりビギナーでした。

 

 

すべては通り過ぎてゆく。

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