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マンダラデザインアートブログのsachiです。
原美術館に、「加藤泉 – LIKE A ROLLING SNOWBALL」展を観に行きました。
原始美術を思わせるミステリアスで⼒強い⼈物表現を特徴とする加藤泉は、1990年代半ばより絵画作品を発表、2000 年代に⼊ると⽊彫も⼿がけ、2007 年ヴェネチアビエンナーレ国際美術展への招聘をきっかけに国際的な評価を獲得し、⽇本・アジア・欧⽶とその活動の舞台を広げてきました。
近年ではソフトビニール、⽯、ファブリックなど多様な素材を⽤いたダイナミックなインスタレーションを展開する⼀⽅で、新たに版画制作にも取り組むなど、その意欲的な創作活動に多くの注⽬を集めています。 東京の美術館としては初の⼤規模個展となる原美術館では、新作の絵画、彫刻作品69点を、元々は個⼈邸宅として建てられた独特の建築空間と対話するように展⽰します。
出典:(アイキャッチ画像もお借りしました)
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/701/
加藤泉については以前もこのブログで触れたことがある。あれから10年が経った。
当時、自分は彼の作品は初見であった。
今回は新作中心ということもあり、作品から受ける印象が少し違った。
月日は流れているのだな、と思った。
一言で言うと、見た目の土俗的・呪術的なエッセンスがやや薄まり、誤解を恐れずに言えば、洗練されポップになっていたように思う。
カラフルな色遣いが前面に押し出されて、おどろおどろしさとか禍々しさが薄れた分、インパクトも減った。減ったと言っても前と比べて、というだけで依然として強烈だ。
それでも言ってみれば「とっつき易くなった」というか、より多くのひとに鑑賞され得るかたちになったのではないか。
要するに、見た途端「あ。これは無理、」と思う人が減る=普通に鑑賞できる層の裾野を広げた、ということでしょうか。
でもまあ10年という月日が経てば、鑑賞する人々の平均的な嗜好も大きく様変わりしているのかもしれない。
これなど、配色の美しさにまず目がいく。魅力的。
今回の全作品でこれが一番好きだった。いくら見ていても飽くことはない。
そうは言ってもやはり、こちらの内面の最深部を突いてくるような存在感というか、威圧感のようなものは健在。いや、何も威圧していないのだけど、ただそこにあるだけで、こっちが勝手に反応させられるような輪郭の強さといったらいいか。
生きている者が思い出さないことになっているもの、思い出してはいけないもの、を思い出しそうになる感じ。
とっても、こわい。
これは親子かな。可愛いし、美しい。
それにつけても「数はちから」だと思った。
ひとつだけでも充分強烈なものがこれだけの数で並ぶともう、阿鼻叫喚・地獄絵図なのだった。(褒め言葉です)
1月13日まで。
会場:原美術館
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