杉本博司の集大成!感動のアート体験・小田原「江之浦測候所」に行ってきた

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!アート
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マンダラデザインアートブログのsachiです。

現代美術家 杉本博司氏が構想・設計した、小田原にあるアート施設「江之浦測候所」。
2017年に完成してから、ずっと訪れたかったところでした。

「測候所」と銘打っていますが、こちらは自然と芸術が融合した文化施設。
小田原の静かな環境に包まれたアートの宝庫です。
杉本博司の芸術的ビジョンと日本の自然美が融合した、唯一無二の場所なのです。

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

↑パンフレットにある江之浦測候所の航空写真。長いギャラリーがひときわ目を引きます。
4月に訪れたので、写真のように桜と菜の花がきれいでした。

アクセスなどの情報も後述。要チェックです!

 

悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。
そしてそれがアートの起源でもあった。
新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。

ー 小田原文化財団 設立者 杉本博司

パンフレットより

 

現代美術家 杉本博司

杉本博司は特に写真作品で知られています。
彼の作品は、どれも歴史や時間、記憶といったテーマに深く関わっており、江之浦測候所もその哲学を反映しています。

杉本作品で自分が好きなのは「海景」。世界各地の海を撮った写真作品シリーズです。
水平線を中央に据えたシンプルな構図で、じっと見ていると吸い込まれそうになります。

ギャラリーには、そのいくつかの展示がありました。

 

夏至光遥拝100メートルギャラリー

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

その名も「夏至光遥拝100メートルギャラリー」。

夏至の朝、海から昇る太陽の光が、崖にせり出した先端部分からギャラリー全体に差し込むように設計・配置されています。

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

ギャラリー(左側)の大谷石壁も美しい。柱は使用されていないそう。
奥は相模湾。

 

日本各地の文化遺産を移築

明月門

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

江之浦測候所の正門、明月門

もとは鎌倉にある臨済宗建長寺派の明月院の正門として、室町時代に建てられた。
関東大震災で半壊し、その後解体、保存、移築、再建、の月日を経てこの地に到ったとのこと。
(ここ小田原の前には根津美術館の正門として使用されていた。美術館建て替えのため根津美術館より小田原文化財団に寄贈されたらしい)

 

片浦稲荷大明神

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

こちらは、「享保12年(1727)武蔵国豊崎郡 渋谷村」の銘があり、現在の渋谷近辺にあった稲荷社と思われるもの。縁あって譲り受けたそうです。

鳥居と灯籠は、旧九段会館の屋上にあったものだとのこと。

 

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歴史遺産への敬意

茶室「雨聴天」石造鳥居

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

茶室「雨聴天」
なんと素敵なネーミングなのでしょう。。

手前は、石造鳥居
山形県小立部落にある重要文化財指定の「石鳥居」の形式に準じて組み立てられたそうだ。
石は古墳時代のもの。

 

古美術杉本

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

古美術杉本

中には古い道具などが所狭しと並べられていた。

 

 

石棒と硝子の杜

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

石棒(縄文時代後期)

石棒は石剣とも呼ばれる。剣としての実用性はなく祭祀としての用具と見られるそうです。
硝子の杜が美しい。

 

甘橘山 春日大社

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

甘橘山 春日大社

甘橘山 春日社社殿は、現存する最古の春日造りの姿を残す奈良・円成寺の春日堂を採寸し写した。参道右上に据えられた礎石は奈良時代、和泉国の国分寺跡から出土したもの。2022年春、ここ「甘橘山」に奈良・春日大社より霊を勧請した。

パンフレットより

 

 

冬至光遥拝隧道

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

円形石舞台

中央にあるのは「伽藍石」、放射状に擦り合わせてあるのは京都市電の「敷石」。
舞台の周りの巨石は江戸城の石垣のために切り出された巨石だそうです。

右手には、大きな石に囲まれた隧道(トンネル)の入り口が。ここから中に入ります!

 

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

冬至光遥拝隧道。

一年で最も日照の短い日。冬至は一年の終点でありまた起点である。この特別な一日は、巡り来る死と再生の節目として世界各地の古代文明で祀られてきた。日が昇り季節が巡り来ることを意識化し得たことが、人類が意識を持ち得たきっかけとなった。この「人の最も古い記憶」を現代人の脳裏に蘇らせる為に、当施設は構想された。冬至の朝、相模湾から昇る陽光は70メートルの隧道を貫き、対面して置かれた巨石を照らし出す。

パンフレットより

 

この作品装置を作るべく、杉本は江之浦測候所を構想したという。
発想の起点を知ると、この場に立つことの感動も深くなる。

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

光井戸

歩いて行くと、隧道の中程には井戸のあるスペースが。

井戸枠は江戸時代のもので、内側には「光学子破片」が敷き詰められており、キラキラと光り美しかった。
雨の日には、雨粒の一滴一滴が井戸に降り注ぐのを椅子に座って楽しめるらしいです。

 

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

海からの光!
神々しい。

 

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

相模湾から吹く風が、気持ちがよかった。

 

↓こちらはこのトンネルの上に乗って望むながめ。

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

 

↓トンネルの上を歩いて行くルート。止め石より先は立ち入り禁止。高所恐怖症の人にはちょっとこわいかも。

右手に見える、光学硝子舞台もアート作品。(音が出ます)

 

光学硝子舞台と古代ローマ円形劇場写し観客席

隧道と平行に、冬至の軸線に沿って、檜の懸造りの上に光学硝子が敷き詰められた舞台が設置された。懸造りは京都清水寺の舞台、鳥取の三徳山文殊堂などが知られる。冬至の朝、硝子の小口には陽光が差し込み輝くのが見える。観客席はイタリア、ラツィオ州のフェレント古代ローマ円形劇場遺跡を実測し再現した。この客席からは硝子の舞台が水面に浮いているように見える。

パンフレットより

 

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現代美術家 杉本博司の作品

小田原の「江之浦測候所」に行ってきました!

数理模型 0010
負の定曲率回転面

双曲線関数を目に見えるように模型化したものだとのこと。
数学のことはまったくわからないけど、、美しいフォルム!

反射望遠鏡のために作られた光学硝子が基盤になっている。

 

 

江之浦測候所概要とアクセス

最後に概要とアクセスを記します(2024.6.19現在)。
是非お出かけくださいね!

所在地: 神奈川県小田原市江之浦362番地1 0465-42-9170(代表)
休館日:火・水曜日、年末年始および臨時休館日
入館方法:事前予約・入替制
見学時間:
午前の部 10:00~13:00 午後の部 13:30~16:30
夕景の部 17:00~19:00 【8月の土・日・月曜日限定】
入館料:
◯ インターネットから事前にご購入
午前の部&午後の部: 3,300円  夕景の部: 2,200円
当日券をご利用の場合
午前の部&午後の部: 3,850円  夕景の部: 2,750円
交通案内:
最寄駅 JR東海道本線 根府川(ねぶかわ)駅または真鶴駅
「根府川駅」~施設間は、無料送迎バス運行。(徒歩だと40分)
※ 駐車場有(駐車台数には限りがございます。駐車場利用をご希望の方は、見学ご予約時に「入館料(駐車場利用)」をお選びください。)

最新の情報は以下よりご確認をお願いします!
https://www.odawara-af.com/ja/enoura/ticket/

 

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