LIFE

残像日録

【残像日録】池田澄子の見る世界

この季節になると思い出す句がある。「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」(池田澄子)俳句のたしなみのない自分にも、池田澄子の代表句はこころに響く。 ストレートな物言いや、くすっとしちゃうような諧謔味。「目覚めるといつも私が居て遺憾」(池田澄子)「さしあたり箱へ戻しぬ新巻鮭」(池田澄子)こちらもまた、この時期に思い出す一句。少しの苦さを持って。「前ヘススメ前ヘススミテ還ラザル」(池田澄子)おりしも世間はオリンピック一色。自分も日本人というものの特性について、今日も考えたり考えなかったり。
アート

アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人@森美術館

「アナザーエナジー展:挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」を観に森美術館に行きました。世界的なコロナ禍のなか、この地球上のあちらこちらに、時には情熱的に、時には怒りをこめて、また時には自分の好きなものを淡々と表現し続けている人々がいる。ーそのことを目の当たりにした、たいへん勇気づけられる展示でした!最高齢106歳、一番若者でも72歳。アーティストとしてのキャリアは全員50年以上だという。それだけでも励まされるのに、彼女らの産み出す作品スケールの大きさ!ほとばしるエネルギーの凄まじさ!自分は圧倒され、いたく感動させられました。
残像日録

【残像日録】 ホリヒロシ

日々の残像ゆるゆるメモ。Eテレ「日曜美術館」を見る。ホリヒロシ。 自分の言葉で自分の宇宙を語れる人。素晴らしい人形作品を作ったあげく、自ら彼女を操り舞わせる。儚くも稀有な物語世界を作る人。3年前に亡くなった奥さんの幻影とともに暮らしているようなアトリエで制作する彼は、まるで美の求道者のようだった。
本と映画

インド哲学を想起させる 小川洋子著「ブラフマンの埋葬」

物語のなかで「僕」が飼っている生き物の名前は「ブラフマン」。自分が連想したのは、ブラフマンとアートマンでした。ブラフマン(梵)は、インド哲学における宇宙を支配する原理で、アートマン(我)は個人を支配する原理。これらが同一であることを知ることが、 古代インドにおけるヴェーダの究極の悟り=梵我一如(ぼんがいちにょ)です。そして、「僕」が管理人を務める「創作者の家」に住む創作者たち。作家、詩人、哲学者、画家、音楽家、舞踏家...と色々で、彼らが「アートマン」という位置付けなのではないか?と感じました。一様に我が強いように見える彼らに比して、「僕」や彼の飼う「ブラフマン」はその対極にいるように見えました。
サイエンス

西之島の噴火を見て太古の地球に思いを馳せる

今現役の火山学者、地質学者は幸運だ。模型や写真でなく本物の「大地創成」を、そのプロセスをワクワクしながら国内で観察することができるんだから! 50年前でも100年前でもなく、今の学者がいちばんラッキー!!素人の自分ですらこんなに興奮するんだから、専門家の学者さんがどんな思いでいるか、、想像に難くない。子どもの頃からそういうものに興味があっただろうひとが研究を続け、生業とし、この期に及んでそれそのものをリアルに観れるとは思いもしなかったのでは!?40億年前の地球の姿を、目の当たりにできるのだ。ゲームやCGじゃないんだ。もちろんガスも出ているかもしれないし、調査には危険も伴うけど。
アート

水彩絵の具のにじみが好き

水彩絵具の箱から、たとえばピーコックブルーのチューブを取る。 パレットにちょっとしぼり出し、たっぷりとした水で溶く。 その時点でもう、ある種の悦楽が胸のうちに広がる。 幼い頃のいろみず遊びの記憶は関係していると思う。 紙の上に、絵筆で薄く色を置く。 直後には水でてらてらと光っているんだけど、みるみる落ち着いていく。 紙とおりあうようにして、しだいに色が定着していく。 その移り変わるさまは、紙の種類によってだいぶ具合が違っていて、和紙に近いものだとあっという間ににじみがすすむ。色がにじむさまを見るのも好き。
デザイン

買って正解!MOFTのノートPCスタンドで美容も改善?スマホ首にはなりたくない

ことの始まりは首の前側にできたシワ。昨年まではなかったのに、ステイホームの時期に突如出現し、みるみる酷くなっていった。 ノートブック型のパソコンを中心に使用していたことだった。これまでは仕事用のデスクトップでモニターをほぼ正面に見ていたけど、ノートだと始終俯きがちになる。で、色々と調べているうちに気がついた。きっとこれだ!スマホ首!
アート

夢心地!眠り展:アートと生きること @東京国立近代美術館

竹橋の東京国立近代美術館で「眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで」を観てきました。 「眠り展」フライヤーとチケット、リーフレット。おだやかで上品な色味。たゆたうようなフォントが印象的。 眠り。それは、自分の大好きな娯楽。 夢かうつつか。当初、「眠り展」は東京オリンピックの閉幕後に開催される予定だったらしい。 オリンピックという非日常を終わらせたのち、再び日常の中で繰り返される「眠り」をテーマとする企画だったのだそうだ。祭りを終えた後に必要不可欠なエネルギーチャージ期間としての休息、という意味もあるのかも。
アートとデザイン

悲報!大好きなソストレーネグレーネが日本から撤退してしまう…。

2016年にアジア一号店として表参道店がオープンした。北欧の雑貨はすっきりとしたデザインが多く概ね好みなのだけど、ソストレーネグレーネについてはとにかく色味が好き!パステルトーンというかペールトーンというか、他の雑貨ブランドにはない上品な色合わせで色違いで買って並べてみたくなるようなものが多いんだ。おまけにプチ・プライス。
音楽

ヨルシカ「花に亡霊」や Eve「いのちの食べ方」を見ながら創作について考えた

ヨルシカ「花に亡霊」や Eve「いのちの食べ方」 なんというか、饒舌なんだ。過剰なほどに。 目が離せない感じの疾走感。イメージの洪水。圧倒されてしまう。 ビジュアルから受ける粗削りな印象は表現として未成熟なところもあったりするかもしれないけれど、それが魅力とも言える。
アート

ピーター・ドイグ展 同時代を生きる 「画家の中の画家」日本初個展!

《エコー湖》 1998年 テート蔵 絵の中央にパトカーが見える。湖のほとりで頭に手をやっている男を見ていると「とりかえしがつかない」という言葉が自然と浮かんだ。ドキドキしてきた。右下の水の面に人の姿のようなものが見える。赤黒い水面が不気味。 夜空のイメージも不安を掻き立てる。
デザイン

鶴屋吉信の IRODORI(いろどり)シリーズはまるで芸術品のよう。

鶴屋吉信 IRODORI(いろどり)シリーズ 琥珀糖の方は、優しい色味のグラデーションが目にも美味しいです。叩いたら、キン!と氷のように高く澄んだ音色が響くかな。有平糖は、くるくるとした渦巻き模様がなんだか懐かしい。昔読んだおとぎ話を思い出しそう。この長さや細さもひっくるめて愛らしいな。ポルトガルから伝わった南蛮菓子のひとつで、語源はポルトガル語のアルフェロアに由来しているとのこと。
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