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マンダラデザインアートブログのsachiです。
「瀬戸内国際芸術祭2016」に行ってきました!
Contents
瀬戸内国際芸術祭とは
概要
<海の復権>
古来より交通の大動脈として重要な役割を果たしてきた瀬戸内海。行き交う船は島々に立ち寄り、常に新しい文化や様式を伝えてきました。それらは、個々の島々の固有の文化とつながり、育まれ、美しい景観とともに伝統的な風習として今に残されています。
今、世界のグローバル化・効率化・均質化の流れの中で、島々の人口は減少し、高齢化が進み、地域の活力の低下によって、島の固有性は失われつつあります。
私たちは、美しい自然と人間が交錯し交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が地球上のすべての地域の 『希望の海』 となることを目指し、瀬戸内国際芸術祭を開催します。
「瀬戸内国際芸術祭」は瀬戸内海の島々や香川県高松市、岡山県宇野港などを会場に開催されるトリエンナーレ(3年に一度開かれる国際美術祭)のこと。
2010年からスタートし、今年で3回目だ。
瀬戸内国際芸術祭のアイコン的存在と言ったらやはりこれ!
草間弥生氏の黄色いカボチャ!SNSでよく見かけるフォトジェニックな水玉パンプキン。
何だか大きそうだがこれ、いったいどれくらいのサイズなのか?
こうなったら行ってさわって確かめるしかない!
というわけで?芸術的センスの高い友人とともに四国へGO!
※ チケットは、「作品鑑賞パスポート」(大人5,000円)と「フェリー乗り放題3日間乗船券」(大人2,500円)を前もってコンビニで購入しました。
いざ 瀬戸内海は直島へ!
前日に淡路島に滞在したため、西明石のホテルに宿泊。
可愛い!淡路島では玉ねぎキャッチャーが大人気だよ!
西明石から新幹線に乗り、岡山へ。
余談だけど新幹線、ほんと速いな!
かっこいいなぁ!
青いくちばしの500系というのがカッコ良すぎる。高速で移動する矢印みたい。
岡山からマリンライナー高松行きで倉敷の茶屋町、そこから宇野線に乗り換えて宇野まで行った。
車窓から望む田園風景が広大で素晴らしかった。これぞ日本人の原風景。
岡山はまたゆっくり訪れたいと思う。
宇野港からはいよいよフェリーに乗り込み直島へ!
直島の宮浦港に着いた。
レンタサイクルで島内を回るというチョイスもあったけれど、暑さに負けてシャトルバスに乗り込むことに。
結果、正解だったと思う。バスに乗ってわかったことは、直島全体が坂だらけ、アップダウンが厳しいということ。自転車なら美術館にたどり着く頃にはすでにヨレヨレ…アートどころではない…ということになっていたと思う。。
シャトルバスで最初に目指したのは、島の南部ベネッセハウスエリアにある「地中美術館」。
以下、順に感想など。
建物自体がアート 地中美術館
出典:
http://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/naoshima/15.html
安藤忠雄による建築物。
瀬戸内海の風景と自然を損なわぬよう、すべて地中に埋まっている。
コンクリートの打放しの建物で内装は白一色。学芸員さんの着衣も白だった。
クロード・モネの間
クロード・モネの間から見た。
モネの睡蓮は特に好きでもなかったけど、真っ白い部屋の中であの独特の青紫の色味が美しく映えていた。
額縁内の作品だけが夢のように浮き上がっている感じ。
床はバスルームのような白いタイルでできていた。
クロード・モネ室 / 写真:鈴木研一
出典:https://benesse-artsite.jp/story/20160623-552.html
「2001年宇宙の旅」のラスト、ボーマン船長の部屋を思い出す。
空間全体が白い光を湛えていることや、どこを見てもシンメトリーであることなどが印象的。
室内のあかりが自然光だけだと後から知って驚いた。
ジェームズ・タレル作品
ジェームズ・タレルの作品は光そのものをアートにしていた。
出典:http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
自分が好きなタイプの表現法だし、実際綿密に設計されて作られているのだろうけど、わたしの中ではいまひとつ何かが足りないなと思った。。
ちなみにジェームズ・タレル作品、こちらではものすごく感動したのですが…。
(2020年追記)
ところで、ジェームズ・タレル氏のここが今とても気になっています。
光の館 @新潟県十日町市。
宿泊施設にもなっている。泊まってみたい!!
↓↓↓
神聖な空気に満たされたウォルター・デ・マリア作品空間
「タイム/タイムレス/ノー・タイム」 2004年
出典:
http://benesse-artsite.jp/art/chichu.html
ウォルター・デ・マリアは厳密な寸法とともに空間を提示し、その空間に直径2.2メートルの球体と27体の金箔を施した木製の彫刻を配置し、構成しました。作品スペースの入り口は東側にあり、日の出から日没の間、作品の表情が刻々と変化していきます。
(美術館パンフレットより)
一番心動かされたのは、最後に見たウォルター・デ・マリアの作品。
わたしが見た時間は、金色の棒が斜光に照らされて神々しく光っていた。
日が傾くにつれてそのながめは変化するのだという。いいな。ずっと見ていたいな。
黒い球のオブジェはモノリスを彷彿とさせた。
巨大な異物が現実世界に突如現れた感じ。あってはならないものが目の前にあるシュールな感じ。
何よりもよかったのは静謐な空間が保たれていたこと。入室前、ひそひそ声の学芸員さんが私語をつつしむよう観覧するひとに注意を促す。
神聖な空気が流れている感じだった。
直島内をアート散策
地中美術館を出ると、島内のアートをみて回る。
草間カボチャは芸術祭のアイコン
草間カボチャは思ったよりもデカかった。横に立ち写真を撮ろうとするひとが列を作っていた。
人気があるね。この芸術祭の象徴的存在。
こちらは港近くにある草間氏の赤カボチャ。中に入ることができるよ!
直島銭湯はカオスなパラダイス
大竹伸朗作品。外装が無国籍でカオティック。面白かった。中に入ればよかったが実際に入浴しないとだめかと思って入らなかった。残念。
正面からのながめはこう!可愛い。賑やか。
藤本壮介の直島パヴィリオン
建築家 藤本壮介作品。宮浦港に建っている。これも中に入れる。夜には妖しく光ります。
路地裏散策
「直島銭湯」周辺の路地をぶらぶら散策した。普通の住まいの裏などを通らせていただき、そぞろ歩く。
洗濯物が干してあったり、親子で話す声が聞こえたり。夏休みか。
静かなお宿があったり、お蔵みたいな建物があったり。幼い頃の思い出として頭に焼きついている、田舎のおばあちゃん家のまわりみたいなイメージ。
大抵の家の塀が黒い木でできていて、どこにカメラを向けても絵になる。趣があった。
小豆島 エンジェルロードとアート散策
日も傾き始めた頃、宮浦港からフェリーで小豆島・土庄(とのしょう)港へ渡る。
宿泊ホテルの送迎バスがとてもありがたい。
夕飯前にホテル近くのエンジェルロードを散策。
宿泊ホテルはエンジェルロードにもっとも近い小豆島国際ホテル。
干潮時にはホテルから陸続きの弁天島から、中余島までの道ができる。だが、満潮時にはもうそちらには渡れなくなってしまう、という小豆島のきっての観光スポットだ。
生きているなあ、海は。
実際は中余島からその向こうの小余島、さらには大余島まで渡れると知ったが、行く時間は残念ながらなかった。
潮が引くとあらわれる、このエンジェルロードで手をつないだ二人は将来結ばれるという…。
夕飯の後はうみぼたるツアーなるものもホテルで催してくれた。
参加希望者は21時にフロントに集合。みなでぞろぞろ浜辺に移動。
その日は海の水温が高く、わずかに光るのが確認できただけだった。
見せてくれたホテルの方もいつもはもっと見られるんですけどね、と残念そうに言っていた。
中山千枚田と「オリーブの夢」
翌日は朝食を終えると小豆島オリーブバスに乗って、中山千枚田へ。
広大な棚田のある里山。雄大なながめに心が震える。小豆島最高。
棚田を下って行くとワン・ウェンチー作品「オリーブの夢」があった。
地元産の約4,000本の竹で構築する巨大ドーム。中でちょいと一休み。
一人で来ている若い女性とお話しした。
春にもすでにこの芸術祭に来ており、秋にも来る予定とのこと。大阪から来たという。
そうか。近いからいいなぁ。
観光客のグループからもそう言えば関西弁がよく聞こえていた。
欧米人や中国人や韓国人も多かったように思う。
お昼どき、棚田の近くにある「こまめ食堂」は大賑わい。
ホテルに一旦戻って、預かってもらった荷物をもらうとタクシーをお願いし、港付近へ移動!
大岩オスカールの大岩島
大岩オスカールの作品。エアドームの中一帯に瀬戸内をイメージしたモノクロの墨絵のような風景が広がる。
千年オリーブの木
写真は、タクシーの運転手さんが案内してくれた絶景スポット。
このオリーブの樹は樹齢千年。スペインから小豆島まで10,000kmの船旅を経て2011年にここに植樹されたのだそう。
高台で、エンジェルロードも一望!ありがとう運転手さん!
その運転手さんによると、小豆島は海から来る賊から島を守るため、路地がみな三角状になっているんだって。
それで賊たちの方向感覚を狂わせ、戦意を喪失させるという作戦。
それから、小豆島には日本一狭い海峡があることも教えてくれた。その名を土渕海峡(どふちかいきょう)という。
港にあるコシノジュンコの作品を見て、土庄港からフェリーに乗り込む。豊島(てしま)の唐櫃(からと)港に移動した。
ラストは豊島 豊島美術館では深い感動体験!
唐櫃港でシャトルバスに乗り込み、硯(すずり)というバス停で下車。
森万里子のトムナフーリ
出典:
http://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/teshima/18.html
竹林に囲まれた小道を登ると、池の中央に生と死を象徴する現代のモニュメントが出現。この立体は神岡宇宙素粒子研究施設(スーパーカミオカンデ)とコンピュータで接続しており、超新星爆発(星の死)が起こると光を放つ。
以前、都現代美術館で森万里子展を見たことがあり、サイエンスとリンクする作品がどれもとても美しかったことを思い出した。
この作品を観賞したのは晴天のお昼どき。炎天下のなか、光を放っていることも確認できなかった。
夕闇のなかでほのかに光るようすを見たかったなぁ。。
もっとも心を動かされた 豊島美術館
出典:
http://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
建築家・西沢立衛とアーティスト・内藤礼による美術館。瀬戸内海を望む豊島の小高い丘の中腹に立地し、周囲には棚田が広がり、自然と建築、アートが融和した美しい環境をつくりだしている。中では一日を通して「泉」が誕生する作品《母型》が展開される。天井からは光や風、鳥の声が注ぎ、時間の流れや季節の移り変わりとともに無限の表情を伝える。
出典:
http://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html
「母型」。
この空間に身を置き、その感覚を自由に味わう。そういう作品。
寝そべって風を感じるひと。
頬杖ついて水玉の動きをじっと見つめる人。
みな自然と思い思いのかたちになり、ながれるときを楽しんでいるかのよう。
豊島美術館ハンドブックより
自分も腰を下ろし、ついには横になって、目の前の震える水玉をじっと見つめてみた。
水。光をたっぷりふくんだおはじきみたいな。水銀みたいな。
ときおり静かに滴る水が水琴窟のような音をたてる。こころがゆったりとする。
豊島美術館ハンドブックより
蝉しぐれが耳に心地よく響く。
旅の終わりはすぐそこまで来ていたけれど、光と風と水滴に囲まれて、いつまでもそうしていたいと思ったよ。
こちらは併設のカフェ
アートな旅をともに楽しんでくれた友人にこころから感謝した夏の日でした。
また行きたいなぁ!
会 期
春|2016年3月20日[日・春分の日]—4月17日[日]29日間
夏|2016年7月18日[月・海の日]—9月4日[日]49日間
秋|2016年10月8日[土]—11月6日[日]30日間
会期総計|108日間
開催地
直島 / 豊島 / 女木島 / 男木島 / 小豆島 / 大島 / 犬島 /
沙弥島[春のみ] / 本島[秋のみ] / 高見島[秋のみ] /
粟島[秋のみ] / 伊吹島[秋のみ] / 高松港・宇野港周辺
総合ディレクター|北川フラム[アートディレクター]
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