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マンダラデザインアートブログのsachiです。
ムーミン、イッタラ、マリメッコ。
日本人にも馴染みの深いフィンランドデザインです。
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中
「ザ・フィンランドデザイン展〜自然が宿るライフスタイル」に行きました。
「ザ・フィンランドデザイン展」チケットやチラシ。出ている写真のひとつひとつに心躍る!
AIによるイッタラの1分解説はこちらから↓
訪れたのは昨年末の平日午後。
混雑状況は気になりましたが、チケットを確保し自分は予約なしで行きました。
それほど混んでいなかったのでほっとしましたが、現在はどうでしょうか?
サイトを確認してから訪れることをお勧めいたします。
1月15日現在、公式サイトには以下のようにありました。
会期中の全ての土日祝、および最終週の1月24日(月)~30日(日)は【オンラインによる入場日時予約】が必要となります。
Contents
「ザ・フィンランドデザイン展〜自然が宿るライフスタイル」
豊かな自然と美しいデザインの宝庫、フィンランド。幸福度世界一を誇る※この国で長く使い続けられているプロダクトの数々は、「大いなる自然を忘れない」という思想に裏付けられています。そのようなデザインに囲まれたフィンランドの人々は、大地からの恩恵を生活に取り入れるライフスタイルを愛してきました。
※国連「世界幸福度報告書」2021年版による。
出典(画像もお借りしました):
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/
会場であるBunkamuraの1F入り口付近では、フィンランド・テキスタイルの老舗「フィンレイソン」を代表するデザイナー、アイニ・ヴァーリの作品が展示されていました。
いかにも北欧デザインなモチーフに入場前からテンション上がる。
このテキスタイルのカーテンがほしいな。
会場案内役はムーミンのミー。
残念ながら、会場内は撮影NG。
以下、公式サイトより画像をお借りして感想を述べたいと思います。
出典:
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/
ひとことで言うと充実した素晴らしい展示で、自分はますますフィンランドという国の文化に興味が湧きました。
会場は以下の7つのエリアに分かれていました。
CHAPTER1 オーガニックなイメージ
CHAPTER2 機能的なフォルム
CHAPTER3 モダニズムのアイコン
CHAPTER4 絵画のように
CHAPTER5 暮らしの中のモダンデザイン
CHAPTER6 フィンランドの妖精たち
カッコいい!自然の魅力あふれるポスター
エルッキ・ホルッタ《フィンランドツーリスト協会のポスター「冬-夏」》1948年
入ってすぐのフィンランドへようこそ!のエリア。
美しいデザインのポスターに圧倒されました。
(上のこのポスターは聞くところによると西武線の飯能の駅に貼られているとか…?未確認ですが。
最近、飯能はムーミンバレーパークを中心に「北欧」推しのイメージ作りをしているようですね)
そのほか、フィンランドの自然の豊かさがよくわかる写真の数々が展示されていました。
フィンランドは、1917年にロシアから独立し近代化を押し進めてきました。
木材以外の資源に乏しいフィンランドがあたらしく国を確立していくなかで、最重要視されたのがデザインです。
工芸を国の重要な産業と定め、その発展に力を注いできました。
自然にインスパイアされたパターンとフォルム、国の大切な資源でもあった木材の温かみ…フィンランド人の心に刻み込まれた自然のイメージが、多くのアーティストたちの手でデザインされ、アルテック、アラビア、イッタラ、タンぺッラ、フィンレイソン、マリメッコなどの製作所が製品化を進めました。それらのデザインが人々の日常に浸透し、近代社会も成熟。やがて国際的な舞台でも注目されるようになり、フィンランド国民のためのデザインから世界のデザインへと大きく飛躍していったのです。このことが、フィンランド人の心に誇りを呼び覚まし、アイデンティティの確立を決定的なものにしました。
出典:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/point.html
アルヴァ・アアルト 〜 有機的曲線が描くフォルムの美
アルヴァ・アアルト《「サヴォイ」花瓶》1936年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
なんて美しい曲線でしょう!
参考としてフィンランドの湖(サイマー湖)の写真が展示されていた。
自然からまさしくインスピレーションを得て作品化していることがわかる。
それにしても、この花瓶の存在は知ってはいたがアルテックのチェアで名高いアルヴァ・アアルトのデザインだとは知らなかった!
そして80年も前にデザインされたものがいまだにイッタラ社で購入できるとは!
自分は北欧デザインが好きだと言いながら、何となくイッタラには近づかないようにしていたのだが(笑)このたび満を持してオンラインショップを訪れてみた。
そしたら、あるわあるわ、次々とほしくなってしまうものが…。
危険!
アルヴァ・アアルト 《キャンチレバーチェア31(現:42アームチェア)/ パイミオサナトリウム竣工時のオリジナル製品》 1931年、木工家具・建築設備社(トゥルク)、 フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、 Photo/Rauno Träskelin
上はアルヴァ・アアルトがパイミオサナトリウムのためにデザインした椅子。
患者が座る際、肺に負担がかからない角度の背もたれ、立つ時に無駄な力がいらない肘掛の工夫。
それらがそのままデザインになっている。機能としての美。
※ パイミオサナトリウムはアアルトが、内装、照明、家具も含めた建築物ごと手がけた結核療養所。
カイ・フランクの「ティーマ」 ロングセラーの秘密は実用美!
大量生産と実用性をキーワードとする機能主義から生まれたシンプルかつ合理的なデザイン。フィンランドの家庭や生活様式に変化をもたらし、人々の暮らしの質を向上させたプロダクトは、今も愛され使い継がれています。
出典:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/chapters.html
カイ・フランクの不朽の名作「ティーマ」シリーズ
カイ・フランク《「BAキルタ」カップ&ソーサー他》1952-1975年、アラビア製陶所、ヘルシンキ市立博物館蔵、Photo/Yehia Eweis
アラビア社のロングセラー「ティーマ」(アラビア製陶所で生み出された当時のシリーズ名は「キルタ」)。
デザインは、カイ・フランク(1911-1989)。
「ティーマ」シリーズの特徴は、足りないものだけを買い足して長く使い続けられるテーブルウェア。
「ディナーセットを粉砕せよ」というスローガンを掲げていたフランクが重要視していたのは「リサイクル」と「サステナビリティ」だった。
彼は「フィンランドデザインの良心」と呼ばれているのだそうだ。
憧れるなぁ。不朽の名作。
美しい サーラ・ホペアのグラスとピッチャー
サーラ・ホペア 《ピッチャー1618、グラス1718》 1954年、ヌータヤルヴィガラス製作所、 フィンランド・デザイン・ミュージアム蔵、 Photo/Rauno Träskelin
このグラス、本当にきれいだった。
IKEAの似たようなスタックできるシリーズ(透明)を我が家でも使っているが、このシックな色味が何とも言えない。洒落ている。ほしい。
アイノ・アアルトの「ボルゲブリック」は美術品のよう
アイノ・アアルト《「ボルゲブリック」花瓶、ボトル》1932年、カルフラガラス製作所、コレクション・カッコネン蔵、Photo/Rauno Träskelin
ずっと見ていてもあきない、素晴らしく秀逸なフォルム。色味もたまらない。
観賞用として使わずに棚に飾っておきたい。。
こちらはアイノ・アアルトのデザイン。アルヴァ・アアルトのパートナーです。
ルート・ブリュック
ルート・ブリュック 《無題(ヘルシンキ市庁舎陶レリーフ「陽のあたる街」のための習作)》 1975年、ヘルシンキ市立美術館蔵、 Photo/Hanna Kukorelli、 ©︎KUVASTO, Helsinki & JASPAR,Tokyo, 2021 G2563
ルート・ブリュックのセラミックアートにはうっとりとした!
ものすごい技術と才能。色彩感覚。
この方もアラビア製陶所にいたとは。おそるべし。。
以前、東京ステーションギャラリーで彼女の個展を観た時の投稿もご覧ください。
ところで、イッタラのデザイナーにはクラウス・ハーパニエミ(1970ー)も在籍していることを知りました。
彼のことは、2013年伊勢丹のクリスマスキャンペーンのイラストで知り、その絵柄にノックダウンされました。フィンランド人とは知らなかった。
イッタラを遠ざけていたことにより、自分は知らないだらけです(笑)
絵画的なパターンと装飾 〜 マリメッコを再認識した
家庭用テキスタイルの需要が飛躍的に高まった戦後、フィンレイソン社やタンペッラ社等の老舗と、当時新興のマリメッコ社は、競いあってモダンなテキスタイルを生産、輸出するようになります。伝統的な絵柄だけでなく、同時代の絵画や工芸にも刺激された革新的なパターンも生まれました。
出典:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/21_Finland/chapters.html
ケシの花を大きくプリントした「ウニッコ」デザイナーのマイヤ・イソラ(Maija Isola)。
1949年より38年間、第一線で活躍し続け、この間にデザイナーとして手がけたものは500以上にも及ぶとのこと。
ところがマリメッコなのに(笑)ときどきめちゃくちゃ好みな柄があるんだけど、と折に触れて思ってきた。それでもずっとそのままにしていたのだが、この度初めてマリメッコのオンラインショップを訪れてみた。。
わかったことは、マリメッコもまた様々なデザイナーを抱え、そのデザインはそれぞれ特色があるという当たり前のこと。今更ながらの気づきですが。
そして、さらなる気づきは自分が気になるマリメッコデザインはすべてマイヤ・ロウエカリ(Maija Louekari)というデザイナーの手によるもの、という事実だった。
わかってよかった!ありがとうございます。
マイヤ・ロウエカリ(Maija Louekari)氏
出典:https://www.marimekko.jp/the-brand/designers/maija-louekari
テキスタイル:Siirtolapuutarha(シイルトラプータルハ)/市民菜園
DESIGNER:Maija Louekari
なんて可愛いのでしょう!
出典:https://www.marimekko.jp/the-brand/designers/maija-louekari
色違い。
これも愛らしい。
(ちなみに、本展示ではマイヤ・ロウエカリ作品はありませんでした)
最後の展示スペースのみ撮影OKでした。
追記:↓フィンランド・デザインについてはこちらでも書いています。
ミュージアムショップのグッズは品数多し。目移りすること間違いなし!
展示観覧後のお楽しみ。
ミュージアムショップのグッズはとても充実していました。
なんと壮観。華やか〜
イッタラのアアルトデザインも販売。
ほんとに見渡す限りおしゃれ…。
カードも目移りするほど。。
この日はポストカードを購入。
アラビア製陶所やヌータヤルヴィガラス製作所の当時のポスターが、大判カードになっていました。
サーラ・ホペアのスタックグラスシリーズが本当に美しい…。
フレームに入れて飾るつもりです。
学びの多い展示に感謝でした。
北欧デザインがお好きな方は是非!
なお、図録は以下でも購入可です。
ところでこちらはだいぶ前にフィンランド土産にいただいたもの。
↓↓↓
鍋敷きです♡
こちらもおそらく自然のフォルムからデザインされたのでは。実をつけた枝かな?かわいい。
202212追記:
TRANSIT最新号(58号)はフィンランドの巻です。
自分はもちろんすでに購入済み ^^* 読み応えがありましたよ!
開催期間:2021/12/7(火)~2022/1/30(日) ※1/1(土・祝)のみ休館
開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
最後までお読みいただきありがとうございます!
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