日々の残像を、ゆるゆるメモします。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
〜 在原業平朝臣
この世の中に桜の咲く時期がなかったら、どれほど心おだやかな春の日々であることでしょう、というような意味でしょうか。
今年もまたこの歌があたまに浮かんだ数日間でした。
桜の美しさは一瞬で、だからこそ、この美をロスしちゃいけない、何としても見ておかないと、とソワソワしてしまう。
今度この光景を見れるのは一年も先。カメラに収めておきたいと。
近所の川べりに咲く桜の樹々も、もうすでに見頃を過ぎたけど、はらはらと散るさまも見届けたいと願う。
何でしょうねーこれは。
美しい花はほかにもいくらでもあるというのに。
年に一回、別れと出会いの季節にだけ出会えるこの花を、自分はこの先あと何度見ることができるだろう、なんて考えたり。
瞬間のなかに「永遠」を見る、というフレーズはよく聞くけど、その光景はたいてい美しい。
桜だって花びらがしおれ落ちて汚く見える時はあるけれど去り際が早く、それが生き永らえた者(自分らw)の目にはまぶしく潔く映るのでしょうね。
とりとめもありませんが、桜はひとに時間について想起させる稀有な花だと感じた日でした。
すべては通り過ぎてゆく。
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