日々の残像を、ゆるゆるメモします。
新学期が始まった。
デルタ株は、子ども達にも感染を広げている。
シガー・ロス(Sigur Ros)の「Untitle #1」のミュージック・ビデオをまた思い出すことになろうとは、思いもしなかった。
2003年にリリースされたこのMVを前回思い出したのは、2011年の原発事故のとき。
メルトダウンとかメルトスルーとか帰還困難区域とかの文字がこの国で使われ始め、子ども達の健康を案じているころ、このビデオを思い出した。
制作当時(2003年)からしたらそれは、おそらく近未来の設定描写。
学校の廊下で、一列に並ばせられた子ども達が先生からの健康チェックを受けている。
その後、はしゃぎながら外に飛び出していくのだけど(直前のそれでもやはり不安が残るような彼らの表情が印象的)、どの子もガスマスクをつけているのだ。
外は、死の街のようなながめ。
灰が降りしきっている。
地面にはその灰が雪のように積もっていて、子ども達はそれで雪(灰)だるまをつくって遊ぶのだ。。
2003年にそれを見た時は、素晴らしい楽曲と相まって「神秘的で美しくもある。だけど、こんな未来は困るな」と思った。
そして、2011年の原発事故後に見直したときは、
「でも、放射能は透明でまったく目に見えないだけにこれよりもさらに恐ろしい状況だ」
と思った。まだ自分の子どもも小さかった。
そうして、今だ。
このMVの描く世界は、少なくとも学校(シェルター?)の中では安全な様子。
マスクも一切つけていない。「危険因子」は外部にしかないのだ。
今はどうだろう。
目の前にいる人間がそれを抱えている可能性が十分にある。
子ども達が互いの体温を感じながら無邪気にじゃれ合うことも難しくなりそうなのが、辛くてたまらない。
Sigur Rós – (Untitled) [Official Music Video]
Untitled #1 (Vaka)
*シガー・ロス(Sigur Rós)はアイスランドのポストロックバンド。
「Sigur Rós」とは、アイスランド語で「勝利、薔薇」を意味する。
すべては通り過ぎてゆく。
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