虹色グラデーション!靉嘔(あいおう)ふたたび虹のかなたに@都現代美術館

アート
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大江戸線の「清澄白河」という駅で降り、都現代美術館へ行きました。

訪れるたび思うのですが、

きよすみしらかわ

とはなんてきれいな地名なのでしょう。

清澄庭園、深川江戸資料館などがあり、駅から美術館への道はまさしく下町の通り。ちょっと小粋なカフェや雑貨屋さん、ギャラリーなども並んでいます。

お隣の駅の名は「門前仲町(もんぜんなかちょう)」
こちらも味わい深い響き。

ついでだから言うと、
東武伊勢崎線の「業平橋(なりひらばし)」駅(在原業平が由緒とされている)。
こちらも美しい駅名でしたが、それが「とうきょうスカイツリー」駅に変わったこと、自分には納得できない感じがあります。
歴史的、文化的由来があってそう呼びならわされている土地の駅名を、(主に経済的な要因や分かり易さを考えてだと思われるが)この時代の価値観で変えてしまっていいの?
周りには「押上」「曳舟」など、他にも優雅なイメージの駅名があるけれど、地名にはその土地のなりたちがこめられていますよね。

(「曳舟」駅については、江戸時代、本所深川の開発が進められた際、元荒川から「本所上水」が引かれ、のちに農産物や旅人を乗せた船が行き交う「曳舟川」と改称。 その川が構内を流れることから、この駅名が命名された、とのこと。東武鉄道のサイト

平成11年の市町村大合併などというものもありましたが、地名はその土地で生きてきた先達、祖先からのメッセージそのもの。
効率や利便だけで片づけられないジャンルのものだと思うんですが、いかがでしょうか。

 

さておき。

 

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靉嘔は「虹のアーティスト」として国内外で知られるようになります。靉嘔の虹との格闘は、版画、絵画、インスタレーションと様々な形式により、現在まで続いています

http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/131より転載

 

清澄白河で「虹のアーティスト」と出会う….。
完璧。

ところで靉嘔(あいおう)という人は名前を聞いたこともなかった。
中国の人だとばかり思っていたのに、鑑賞の途中で茨城出身の日本の美術家だと知った。

《田園》 1956年 東京都現代美術館蔵

 

会場の入り口近くに展示されていた大きな作品。
この作品を前にして
「なるほど!いかにも中国の芸術っぽいな!」
と思っていたことも内緒。

 

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《レインボー・エンヴァイラメントNo.7
レインボー・タクティル・ルーム+レインボー・エイムズ・ボックス》
1969年

 

上のようなインスタレーションも多数展示されていた。

靉嘔氏は1960年代に活動していた前衛芸術家集団「フルクサス」の一員でもある。

ネオダダ、ポップアートと並ぶ芸術活動を展開したフルクサスは多国籍集団で、身近なところではオノヨーコやナム・ジュン・パイク、武満徹などがそのメンバー。

当時行われた彼ら主催のイベント写真が展示されていて、なんか内輪盛り上がりっぽいけど楽しそうだな、と思ったりする。

 

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それらの展示のあとは「虹」シリーズ。
とにかく、何でもかんでも虹色で描いている作品群。

 

茨城県 行方市商工会(なめがたし)より転載

 

 

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「CLOUDS」1976年  Shinobazu Galleryより転載

 

 


四季の花  シルクスクリーン 1991年  南天子画廊より転載

 

 

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Internet Museumより転載

 

 

この虹色大盤振る舞いには、さすがのグラデーションマニア!(自分)もくらくら。足取りよたよた。大胆なものが並びすぎて、どれも無個性に見えてきた。

 


この作品だけは写真撮影可。首を載せて記念撮影しよう!との美術館の粋な計らい…。。

 

 

うーん。やはり突飛なものなんてのは、地味な中に2、3あるくらいがありがたい・・・
展示の終盤にはそんな勝手な感想を抱くようになった。

 

水玉の作品で有名な草間弥生氏にしろ靉嘔氏にしろ、やはり「芸術家らしさ」というのは「どこか過剰であること」なのだな。

方向性は全く違うけれど、石田徹也氏の作品群を思い出した。

 

作品となる対象に没入していく過程で極めて排他的になっていく。自己を掘り下げさらけ出し、あちら側に突き抜ける。
鑑賞する者はある時点から、この作品群をどう捉えたらいいものか、自分はどういう姿勢でそれらに向かい合ったらいいのか、困惑に近い気分にさせられる。

作家の「独りよがり」になり、鑑賞者が「置いてきぼり」にさせられるか、その世界観に「もってかれる」か。それは紙一重。鑑賞者の体調やその日の気分にもよるだろうな。
(「置いてきぼり」は必ずしも悪い意味ではないです)

 

もしも自分が製作者だとしたら、、、
自分一人で突っ走るのではなく、「こんなんできましたがどうでしょう?」というスタンスで鑑賞してもらう方が心地よいな、と思う。
こんなカジュアルなこと言ってる時点で、芸術家気質とはほど遠いのだろう。

そんなことを考えた一日でした。
では!

 

展覧会名 靉嘔 ふたたび虹のかなたに
会 場 東京都現代美術館 1F,B2F
会 期 2012年2月4日(土) ~ 5月6日(日)

 

 

美術館内に展示されていた、その他の素敵な現代アート。
ギーク臭プンプン!
か、かっこいいよ!

 

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