声明 × クリスタルボウル  ~ 天上の響宴

アート
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Mandala Design sachi です。
東京・練馬区の慈雲山曼荼羅寺観蔵院で、11月1日~5日まで「仏画・悉曇展」が開かれている。
 
 

 
 
閑静な住宅街の中にあり、美しい御庭を持つこのお寺には、曼荼羅美術館が併設されており、そこでは、観蔵院両部曼荼羅を中心に、日本の仏画やネパールの仏画などのコレクションを見ることができるのだ。感激。
 
 

 
会期中は仏画・悉曇などの展示の他、講義や万燈会やコンサート等の特別企画が併催されている。
初日の昨日は、
「倍音浴 at 観蔵院 ~クリスタルボウルと声明のコラボレーション」
という公演が本堂にて催された。
 
演 奏:牧野持侑(アルケミークリスタルボウル)
    真言法響会(声明)

 
 
シンギングボウルのワークショップには、以前参加したことがあった。
シンギングボウルというのは、チベットの高僧が宗教儀式に用いる法具のひとつで、通常、5~7種類の金属から作られていると聞く。
不思議なことに、配合された金属が7種類以上または4種類以下だと、鳴らしたときの音が濁ってしまうのだという。
 

 
ワークショップを体験したアマナマナのページでシンギングボウルを奏でる様子を見ることができる。(上の画像もアマナマナより転載)
 
http://www.amanamana.com/item/singingbowl.html#pt4
 
 
まったくもって、祈りそのもののような音なんだ。
音に包まれることによって、心身ともに癒される気がする。
(自分がワークショップで試みたときは、耳障りな摩擦音しか出すことができず、かえってストレスがたまったけど)
クリスタルボウルの音は、どのように響くのだろう。
本堂に入ると、色とりどりのクリスタルボウルがすでに並べられていた。
近寄って見てみると、材質も形状もさまざま。
光ったものや透き通ったもの、大きいものや小さいもの、とバラエティに富んでいた。
きれい!
自然光で眺めたら、また違った輝きを見せるのだろう。
 
 

 
 
開演の合図。
クリスタルボールの音がひとつ鳴ると、一瞬にしてその場の気配が変わったような感じがした。
 
 
澄んだ音はスパイラル状にくるくると回って、天に向かってのびやかにひろがっていく。
ああ。見える。見えるよ音が。重厚感のある僧侶の方の声明がそれと響き合い、ぞくぞくした。
 
 
クリスタルボウルがオーガンジーのリボンなら、声明の音色は濃いグリーンのベルベットの帯。両者は、絡み合ったり離れたりしながら、ともに立ち昇っていく。
 
 
途中、互いにもっともぴたりとしたトーンで響き合うポイントがあり、そんなときにはきまって眩暈を感じる。ぐらりとくるのだ。
ボーダーラインに立っている感じがする。
 
 
たった今そこで鳴らされた音のふるまいを、慈しむように見守る牧野氏のたたずまいが印象的。
神秘的な世界の中で、ただひとつ人間味を感じさせる、僧侶の方の衣擦れのかすかな音に、なぜか、懐かしさや安堵感を覚え、それがとても不思議だった。懐かしいこの世。
 
 
休憩をはさんで後半の部。
リラックスして聴いてください、寝そべってしまってもいいですよ、というMCがあり、何人かの人が本当に横になり、ヨガの屍のポーズになっていた。
自分の隣の人は、先ほどから気持ち良さそうにゆっくりと首を回しながら聴いていたし。
いいなあ。。
自分にはまだ勇気がないかな。一皮むけたいものだな。
などと考えていると、真言法響会とクリスタルボウルの共演が始まった。
 
 
素晴らしい音空間の中で頭はもうろうとし、自分はずいぶん前に亡くなった祖母のことを思い出していた。
小麦粉で作ってくれた醤油餅がとても美味しかったこととか、毎日熱心にお経をあげていたこととか。
いや、おばあちゃんのあれは、詩吟だったのかな。
麦茶に砂糖を入れていた。だけじゃない。トマトにもかけていた。
 
 
そんな他愛もないことを考えて、自分は酔ったように陶然としていた。
「倍音酔い」という言葉があるらしいけど、それなのかな。
 
 
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ともあれ、感謝の気持ちでいっぱいの一日だったのだ。
 
どうもありがとうございます。
 
 
真言宗智山派慈雲山曼荼羅寺観蔵院
〒177-0035
東京都練馬区南田中4-15-24
TEL 03-3996-6911
http://www.k3.dion.ne.jp/~kanzoin/
 
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